第33回 学校は片面
ミドリさん
うー。きた。
アゲアゲくん
なにが?
ミドリさん
ユイの学校から呼び出し。
アゲアゲくん
不登校気味だから?
ミドリさん
うーん、多分そうだと思う。
アゲアゲくん
憂鬱なんですか?
ミドリさん
担任がさー。なーんか苦手なのよね。
アゲアゲくん
ふーん。僕も一緒に行っていいですか?
ミドリさん
アゲアゲくんも?
アゲアゲくん
僕は透明にもなれます。
ミドリさん
便利ねぇ。スケスケくんだ。
ミドリさん
じゃあ、一緒に来てくれる?
アゲアゲくん
喜んで!
~中学校~
先生
ユイさんに学校来るようお母さんからも言ってください。
ミドリさん
はぁ。でも本人に任せようかと。
先生
このままだと、全く学校来れなくなりますよ。
ミドリさん
え!?
先生
クラスの子も心配しています。「なんで来ないの?」って。
ミドリさん
それは・・申し訳ないというか。
先生
今度、家庭訪問していいですか?
ミドリさん
え!?なぜですか?
先生
お家での様子を知りたいと思いまして。
ミドリさん
いや、えっと。本人と相談させてください。
先生
分かりました。
アゲアゲくん
・・・。
~帰宅~
ミドリさん
はぁー。疲れた。
アゲアゲくん
お疲れさまでした。
ミドリさん
教育熱心な先生なんだけどね。押しが強くて苦手なの。
アゲアゲくん
典型的な学校の先生でしたね。
ミドリさん
私の対応どうだった?
アゲアゲくん
良かったですよ。
ミドリさん
ほっ。安心した
アゲアゲくん
「本人と相談させてください」と言ったミドリさんに感動しました。まさにアゲ親。がんばったねー。
ミドリさん
そうなの?
アゲアゲくん
はい。サゲ親はあそこで「お願いします」と言いますね。
ミドリさん
なんで?
アゲアゲくん
「嬉しさマインド」がないんですよ。
ミドリさん
何事も「嬉しいか?」で判断するマインドよね。
アゲアゲくん
そうです!
アゲアゲくん
ミドリさん、かなり成長されましたね!
アゲアゲくん
なぜ家庭訪問を断ったんですかっ?
ミドリさん
リビング掃除しないといけないから。
アゲアゲくん
・・・・。
ミドリさん
な、なんで透明になるのよっ。
アゲアゲくん
違うでしょ!嬉しさマインドですよっ!
ミドリさん
そっか。ドンマイ。
アゲアゲくん
説明しますよっ!
ミドリさん
はい。お願いします。
アゲアゲくん
「嬉しさマインド」はアゲ親必須の思考パターンです。
ミドリさん
「嬉しさに繋がってるかな?」で考えるのよね。
アゲアゲくん
そうです!
アゲアゲくん
サゲ親は「正しさマインド」を持っています。
ミドリさん
「これは正しいかな?」で考えるのよね。
アゲアゲくん
そうです。
アゲアゲくん
学校は「正しさマインド」の総本山です。
アゲアゲくん
学校に通うとね。子どもたちは「こうしなくちゃいけない」と自らに課していきます。
ミドリさん
・・。うーん。それはダメなのかしら?
アゲアゲくん
「こうしたい!」が最高なんです。逆!
ミドリさん
なんでさ?
アゲアゲくん
嬉しいから。
ミドリさん
気持ちはわかるんだけどさー。
ミドリさん
「こうしたい!」で生きてルールを守れて優しい子になるの?
アゲアゲくん
なれますよ!大マジ!
アゲアゲくん
話を戻しましょうね。
アゲアゲくん
嬉しさマインドとは「嬉しさ」で判断していくマインド。
アゲアゲくん
我慢するのは、いつかの嬉しさに繋がっているから。
アゲアゲくん
勉強するのは、いつかの嬉しさに繋がっているから。
ミドリさん
決して「正しさ」で我慢したり、勉強するんじゃないのね。
アゲアゲくん
はい!
ミドリさん
ユイの担任は「正しさマインド」だった?
アゲアゲくん
そうでしたね。
ミドリさん
どこで判断したの?
アゲアゲくん
ユイちゃんの気持ちを考えてないから。
ミドリさん
「ユイが嬉しいと思うか」を考えてなかった?
アゲアゲくん
そうですね!
アゲアゲくん
アゲ親学「良い先生と悪い先生の見分け方」を話しましょう。
ミドリさん
あ、それ聞きたい。
アゲアゲくん
見分け方は、やはり「嬉しさマインド」の有無です。
ミドリさん
先生にも「嬉しさマインド」を持っている人はいるの?
アゲアゲくん
いますよ。ゲリラ的ですが。
ミドリさん
「ゲリラ」なの?
アゲアゲくん
はい。主流派ではないですね。
ミドリさん
ふーん。先生も大変なんだな。
アゲアゲくん
良い先生は「嬉しさマインド」を持ってます。当然ですが・・。
アゲアゲくん
悪い先生は「正しさマインド」が強すぎ。
ミドリさん
見分け方は?
アゲアゲくん
「嬉しい」を大事にしているかどうか、です。
アゲアゲくん
「クラスのみんなも心配してる」って言ってましたよね。
ミドリさん
あぁ、先生言ってたね。
アゲアゲくん
ユイちゃんの気持ち考えてないでしょ?
ミドリさん
あ!ホントだ。私も「クラスのみんなに悪いな」って思った。
電話
プルルー♪プルルー♪
ミドリさん
あ、電話。
ミドリさん
はい。あ、先生!
ミドリさん
はい・・はい・・。いえ、すみません。
ミドリさん
はぁ、分かりました。またお返事します。はい。
アゲアゲくん
なんでした?
ミドリさん
先生から。「ぜひ家庭訪問させてくれ」だって。
アゲアゲくん
むー。
ミドリさん
熱心な先生なんだけどねぇ。
アゲアゲくん
熱心=良い先生というわけでもないんですよね。
ミドリさん
先生とはどう付き合えばいいのかな??
アゲアゲくん
お店いくのと同じ心構えでいましょう。
ミドリさん
は?
アゲアゲくん
レストランとか、買物とか行くじゃないですか。
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
ミドリさんは店員さんに横柄に話さないでしょ?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
嫌なものは断るでしょ?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
欲しいものを「欲しい」と言うでしょ?
ミドリさん
もちろん。
アゲアゲくん
先生とも、その態度でいてください
ミドリさん
えぇー。大丈夫なのー?
アゲアゲくん
それが当然ですよ
ミドリさん
でもさー。学校って子どもを預かっているじゃない?
ミドリさん
「嫌われたらどうしよう」「子どもに悪影響にならないかな」とかさー。
ミドリさん
不安だよー。
アゲアゲくん
下手(したて)に出ちゃいますか?
ミドリさん
「機嫌損ねないように」って思っちゃう。
アゲアゲくん
それ、先生のカモです。
ミドリさん
わ!過激なこと言うね!
アゲアゲくん
「店員の機嫌損ねないように」
アゲアゲくん
その気持ちで行くと悪徳店員にぼったくられます。それと同じ。
ミドリさん
えーと、服屋さん行って、強引な店員にいらない服買わされるようなもの??
アゲアゲくん
そうです。
アゲアゲくん
学校も同じなんですね。
アゲアゲくん
僕は先生たちを悪徳とは思わないですが・・・先生に飲まれちゃいますよ。
ミドリさん
サゲサゲになっちゃう?
アゲアゲくん
はい。先生の権威に負けちゃダメ。
アゲアゲくん
それは店員の権威に負けちゃダメと同じです。
ミドリさん
んー私、根っこに自信ないからなー。権威に弱いんだ。
アゲアゲくん
ミドリさん!
ミドリさん
は、はい!
アゲアゲくん
ミドリさんは人生の主人公なのです!
アゲアゲくん
主人公であり続ける条件は気持ちを偽らないこと!
アゲアゲくん
先生の権威に負けることは、学校の!人生の脇役に回るのと同じ!!
アゲアゲくん
ユイちゃんだって主人公なんですよ!脇役じゃない!
ミドリさん
!!
ミドリさん
そ、そうか!
アゲアゲくん
あと先生とはいえ、分かってない人いっぱいいますから。こまっちゃうね。
アゲアゲくん
まとめますね。
アゲアゲくん
アゲ親学「良い先生と悪い先生の見分け方」は嬉しさマインドの有無。
アゲアゲくん
「生徒が嬉しいと思うかな」を考えている先生は良い先生です。
アゲアゲくん
悪い先生ほど「正しさマインド」で生徒に教えます。「正しいことを教えねば」と思ってるのですね。
ミドリさん
うん。多いよね。
アゲアゲくん
「そもそも学校はサゲサゲ総本山」と心得てください。
アゲアゲくん
でね。アゲ親になるには、サゲサゲとどう付き合うか。
アゲアゲくん
先生には主体性を持って付き合いましょう。権威気にしちゃダメ!主役であれ!
ミドリさん
とはいえ礼儀作法は必要よね?
アゲアゲくん
もちろん!
アゲアゲくん
目安は「お店へいくときの態度」です。
ミドリさん
うんうん。
ミドリさん
「正しさマインド」で話してくる先生の話は、どうしたらいいの?
アゲアゲくん
聞き流していいですよ!
ミドリさん
うーむ。大丈夫なの?
アゲアゲくん
心配ですか?
ミドリさん
心配ですね。
アゲアゲくん
「学校は片面しか教えない」と言っても不安ですか?
ミドリさん
ん??
アゲアゲくん
先生は片面しか教えてないのです。
ミドリさん
裏面があるの?
アゲアゲくん
はい。
ミドリさん
それはなに?
アゲアゲくん
「幸せになる方法は一つじゃない」ってことです。
ミドリさん
むずかしい・・。
アゲアゲくん
世の中はねっ!
アゲアゲくん
希望だらけなんですっ!!
ミドリさん
わたしはそうは思えないな・・・。生きるってたいへん
アゲアゲくん
大丈夫です。裏側を僕が教えちゃいます。むふふ。
ミドリさん
それはぜひお願い。
ミドリさん
どうにも気持ちがどよーんってしちゃうから。
アゲアゲくん
不登校とか、いじめとか問題起こると、「どよーん」って来ちゃいますよね。
アゲアゲくん
でも!!
アゲアゲくん
先生の言う話は、片面なんです!!
アゲアゲくん
裏にはね!
アゲアゲくん
希望はちゃんとあるのですー!!
ミドリさん
「絶望はない!」って信じていいのかな?
アゲアゲくん
アゲ親学に誓って!!
ミドリさん
さて。当面の問題は、ユイにどう言うか、だな。
アゲアゲくん
今日の懇談の話ですか?
ミドリさん
うん。家庭訪問と友達が心配してる話くらいは、言わないと。
アゲアゲくん
どう言いましょう?
ミドリさん
うーん。「嬉しさマインド」で考えるのよね?
アゲアゲくん
そうですっ!
ミドリさん
「友達が心配してる」これは・・知りたくないよね。
アゲアゲくん
そうでしょうね。嬉しくないでしょう。
ミドリさん
じゃあ黙っておこう。
ミドリさん
「家庭訪問にくる」これは・・・。
アゲアゲくん
うーん。どう思いますか?
ミドリさん
・・・分かんない。
アゲアゲくん
そういう場合は、ユイちゃんに選んでもらいましょう。
ミドリさん
なるほど。
~ユイの部屋~
ミドリさん
ねぇ、ユイ。
ユイ
なに、母さん。
ミドリさん
きょ今日、学校行ったんだけどさー!落ち着け、私!
ユイ
!!
ミドリさん
イヤー参っちゃったよ。先生から「家庭訪問させてくれ」って言われたんだけどさー。
ミドリさん
ユイはどうしたい?来てほしい?それともイヤ?
ユイ
イヤ。
ミドリさん
だよねー。断ろうと思ったんだけど、一応ユイに聞いておこうって。
ユイ
そうなんだ。ありがとう。
ミドリさん
うん、邪魔しちゃったね。
ミドリさん
・・・ふぅ。ちゃんと言えたかな。
アゲアゲくん
バッチリですよ!
アゲアゲくん
明るく言えたのが良かったですね。
ミドリさん
そう!そこ意識したんだ!
ミドリさん
明るい口調でプレッシャーにならないように、て。。そっちの方がユイは嬉しいかなって♪
アゲアゲくん
そうですー。それが嬉しさマインドですー♪
ミドリさん
「ありがとう」って言われたよー♪
アゲアゲくん
♪
アゲアゲくん
僕、またミドリさんを好きになりました!
裏には希望がある
良い先生でも、悪い先生でも。
下手に出る必要はありません。
「子どもを預かっている」「専門家である」
そういった事情を考えない方が、うまくいくのが先生との付き合い方です。
かといって上から目線もダメですよね。
目安は「お店へいくときの態度」です。
このブログを読む方で店員さんに横柄な態度を取る人はいないと思っています。
下手に出るわけでもなく、クレーマーでもないですよね?
大丈夫です。
同じ気持ちで先生とも付き合ってください。
良い先生は嬉しさマインドを持っています。
保護者さんの話に耳を傾け、子どもの気持ちに寄り添います。
「嬉しさに繋がらないと意味がない」と思っているから。
先生と関わることが増えると迷われると思います。
先生は片面しか教えられないのです。
学校に通うことで、希望を失う。
そんな悲しいことはありえてしまいます。
裏側があることを覚えておいてください。
世の中は希望に満ちあふれています。
学校の、人生の主人公は通う子どもたちです。
権威、専門家に飲まれないでください。
それは主人公を降りるのと同じ。
お母さんもお父さんも。人生の主役であってください。
その姿をお子さんは必ず見ています。