第39回 門限を守らない理由

ミドリさん
遅い・・・。
アゲアゲくん
どうしたんですか?
ミドリさん
ケーイチ(中3)の帰りが最近遅くて・・・。
アゲアゲくん
心配ですか。
ミドリさん
そうね。中学生だし、大事な時期だし。

 

1時間後

ミドリさん
遅い!!なにやってんだろ。
アゲアゲくん
まぁまぁ。
ケイイチ
ただいまー
ミドリさん
おそい!
ケイイチ
わ!
ミドリさん
今、何時だと思っているの!?
ケイイチ
ゴメン。
ミドリさん
どうして時間が守れないの!?
ミドリさん
年受験でしょ?自覚あるの!?
ケイイチ
・・!!
アゲアゲくん
あらら・・。
ケイイチ
ゴメン・・・。
ミドリさん
全く。子どもなんだから。

数日後

ミドリさん
おそい・・・。またか。
ミドリさん
前よりも遅くなってるじゃないー。

 

ガチャ(ケーイチ黙って家に入る)

ミドリさん
あ!こら!何か言いなさい!?
ケイイチ
・・・。

バタン!(ケーイチ部屋に入る)

ミドリさん
・・・。
ミドリさん
ってコラ!話を聞きなさい!!
ケイイチ
・・・。
ミドリさん
コラ!ケーイチ出て来なさい!
ケイイチ
・・・。
ミドリさん
・・・?
ミドリさん
・・・。あれ?
ミドリさん
なんかマズくないー?
ミドリさん
私が間違ってるのかなぁ??
ミドリさん
最近、どんどん帰りが遅くなって・・。怒ると不機嫌になって。
ミドリさん
でも門限破っている方が悪いのよね・・。うん。怒って当たり前じゃない。
アゲアゲくん
ミドリさん、ミドリさん。
ミドリさん
なんでケーイチ怒ってるんだろう??反抗期ってヤツかな・・・。
アゲアゲくん
ミドリさんってば。
ミドリさん
「ダメなものはダメ」って大事よね。でもこのままだと不和になっていく気が・・
アゲアゲくん
ストッッップ!!シンキングー!!
ミドリさん
わー!いたの!?アゲアゲくん。
アゲアゲくん
さっきから呼んでますよ。
ミドリさん
あ、ゴメン。
アゲアゲくん
ケーイチ君が門限破りですか?
ミドリさん
そーなの。どんどん帰りが遅くなってて。
アゲアゲくん
それで怒ったわけですね。
ミドリさん
中学生なんだからさ。大事じゃないかな??
ミドリさん
私、間違っている?
アゲアゲくん
・・・。あー。
アゲアゲくん
はい。
ミドリさん
う・・・。
ミドリさん
男だから?
アゲアゲくん
いえいえ、門限に男女関係ないですよ。
ミドリさん
アゲアゲくんは門限反対派?
アゲアゲくん
いえ、あっていいと思いますよ。
ミドリさん
なくてもいい?
アゲアゲくん
なくてもやっていけますね。
ミドリさん
何が問題なの?
アゲアゲくん
怒るとこじゃないのですよ
ミドリさん
・・なんで?私、めちゃくちゃ怒られたけど。
アゲアゲくん
あ、ミドリさんは怒られる門限を守ってたんですね。
ミドリさん
あぁ、そうだね。
アゲアゲくん
それで今、怒ってるんですね。
ミドリさん
うん・・・。
ミドリさん
・・・。怒鳴らなくてもいいの?
アゲアゲくん
怒鳴りたいですか?
ミドリさん
ううん。出来れば怒鳴りたくない。
アゲアゲくん
なら怒鳴るのはやめましょう。
ミドリさん
ホントに?いいの?

アゲアゲくん
いですよ。自分が怒鳴られてきたからって、それをやることはない!
ミドリさん
そうか、それもそうだよね!
アゲアゲくん
はい!
アゲアゲくん
どんどん帰りが遅くなって、外泊する場合だってありますよ。
ミドリさん
えー!?じゃあどうすればいいのよ??
アゲアゲくん
んー。悪い例を話しましょう。
アゲアゲくん
ある中学三年生の女の子の話です。
アゲアゲくん
彼女は学習塾へ通っていました。
アゲアゲくん
母親はいわゆる教育ママ。「勉強しなさい」「〇〇高校へ行きなさい」と励ます日々でした。
アゲアゲくん
彼女も最初は母親に従っていました。
アゲアゲくん
ですが、友達とも遊びたい。彼氏もほしい。
アゲアゲくん
「遊びたい」と「勉強しなければ」の狭間に彼女はいたのですね。
ミドリさん
今のケーイチと同じだね。
アゲアゲくん
中学生はみんなそうですよ。
ミドリさん
だからこそ、門限じゃないの?
アゲアゲくん
だからこそ本人を信じることなのです。
ミドリさん
・・・!!そうかも!
アゲアゲくん
続きを話しますね。

※以下アゲアゲくんが話しています

彼女は次第に遅く帰るようになりました。

母は激怒。一分遅れでも許しません。

彼女は次第にウソをつくようになりました。

「塾で勉強してるから」とウソをついて友人たちと遊ぶようになりました。

ウソはバれます。母親はウソをつかれたことで大激怒。

外出禁止令を出しました。塾以外は外出禁止。

ここまでくると親子関係は崩壊です。

塾のある日だけ、彼女は自由になれる。

やがて深夜12時まで塾に居座るように。

アゲアゲくん
深夜12時に中学3年生の女の子が一人で帰るのです。
アゲアゲくん
いつ事件が起きてもおかしくない。危険だと思いませんか?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
でも母親はその異常さに気づいてないんです。
ミドリさん
え!?
アゲアゲくん
さらには「娘はいますか?」と塾に確認の電話をしてくる始末。
アゲアゲくん
娘はそれを知って不信感を募らせます。
ミドリさん
もう泥沼ね。
アゲアゲくん
成績は伸びない。母は怒り、娘を縛る。
ミドリさん
そして娘は逃げる?
アゲアゲくん
その通りです。もう受験どころじゃないのです。
ミドリさん
「母親vs娘」になってるわね。
アゲアゲくん
こんな例は多いんです。事件が起こってようやく気づく。
ミドリさん
当事者は異常さに気づけないの?
アゲアゲくん
はい。負のスパイラルにいると思ってください。
ミドリさん
・・・。私とケーイチってこの手前だったの?
アゲアゲくん
はい。
ミドリさん
ひえー!
ミドリさん
な、何が問題なのかな?
アゲアゲくん
マインドです。
ミドリさん
あ、アゲ親の嬉しさマインド、サゲ親の正しさマインド
アゲアゲくん
そうです。説明させてね。
アゲアゲくん
世の中にはアゲ親サゲ親がいます。
アゲアゲくん
アゲ親は嬉しい重視で育てます。
アゲアゲくん
サゲ親は正しい重視で育てます。
ミドリさん
今日の私は「正しい」だったね。
アゲアゲくん
先ほどの女の子の母親も「正しい」でしたね。
ミドリさん
つまりサゲ親だったのね。
アゲアゲくん
はい。
アゲアゲくん
アゲ親嬉しさマインドで言えばいい。
アゲアゲくん
門限も、受験も、イライラも。根こそぎ良くなります!
ミドリさん
門限の場合はどう言えばいいの?
アゲアゲくん
嬉しいで判断するんです。
ミドリさん
??
アゲアゲくん
これも具体例で話しましょう。
アゲアゲくん
あるアゲ親のお母さんの話です。
アゲアゲくん
中学生になる息子さんがいました。門限は19時。
アゲアゲくん
ある日。 息子さんが友達と盛り上がって帰ったら20時。
アゲアゲくん
「怒られる」と思って覚悟して帰宅しました。
アゲアゲくん
母親はなんと言ったと思いますか?
ミドリさん
えーと、分かりません。
アゲアゲくん
「お帰りー。楽しかった?」と言ってきたのです。
ミドリさん
えー!???
アゲアゲくん
「子どもが友達と遊んできた。さぞ楽しかっただろう」
アゲアゲくん
母親はそう思っているんですね。
ミドリさん
う、嬉しさマインドだ!
アゲアゲくん
子どもはビックリしました。遅い夕食を食べながら「いいの??」と疑問だったそうです。
ミドリさん
そりゃそうよね。
アゲアゲくん
ある日、また彼は遅く帰りました。
アゲアゲくん
自転車に乗って家へ帰ります。遠くに我が家が見えてきました。
アゲアゲくん
2階の窓から母親の姿が見えました。
アゲアゲくん
「今度こそ怒られるか?」と思って家に入ります。
アゲアゲくん
でも怒られない。「お帰り」だけ。
ミドリさん
ど、どうなってるんだ・・・。
アゲアゲくん
ここで彼は思ったのです。「心配かけちゃいけないな」と。
ミドリさん
あぁ!そういう方法もあるのね!
アゲアゲくん
その後、彼は時折門限を破ります。
アゲアゲくん
でも「心配かけちゃいけない」と想い続けています。
アゲアゲくん
ここです。
アゲアゲくん
嬉しさマインドがもたらす「win-winの関係」ですね。
ミドリさん
win-win?
アゲアゲくん
彼は前向きに門限を守るようになったのです。
アゲアゲくん
母親が心配しているのが分かったから
ミドリさん
正しさで守っているんじゃない!!?
アゲアゲくん
その通り。
アゲアゲくん
「母親が信じてくれて嬉しい」この想いで行動しています。
ミドリさん
嬉しさマインドでいたら、お返しが返ってくるんだね。
アゲアゲくん
そうですね。彼はもう成人してますが「親孝行する」が人生目標に入っていますからね。
ミドリさん
す、すごい。私もそう思われたい。
アゲアゲくん
中学生になったら「正しさ」なんて通用しないですから。
ミドリさん
通じない?
アゲアゲくん
はい。従っているように見えるだけ。内心では反論してますよ。
ミドリさん
うん、私がそうだったな。
アゲアゲくん
さきほどの女の子の話をしましょう。
アゲアゲくん
彼女は母親の「正論」に逐一反論していました。
アゲアゲくん
「要は受験に受かればいいんでしょ!
アゲアゲくん
「他の子は遊んでいるのに、なんでウチだけ!?」
アゲアゲくん
「親は家でグータラしてるくせに、私だけ頑張らせるな!」
ミドリさん
その子は母親には言わない?
アゲアゲくん
はい。見た目は従っているフリをします。
ミドリさん
言えないのかな・・・。
アゲアゲくん
力関係で母親が上だからですよ。
ミドリさん
なるほど!
アゲアゲくん
反論したら自分の立場が悪くなる。だから言わないだけ。納得したわけじゃない。
ミドリさん
あぁ、なんかケーイチの気持ちが分かった気がする・・・。
ミドリさん
私はどうしよ??
アゲアゲくん
正しさを捨てることですね!
ミドリさん
具体的には?
アゲアゲくん
「門限だから帰れ」
アゲアゲくん
「中学生だから早く帰れ」
アゲアゲくん
「受験だから帰れ」
アゲアゲくん
理屈を言わないことです。
ミドリさん
なるほど・・・。
ミドリさん
どう言えばいいの?
アゲアゲくん
正しさの反対は嬉しさ。
アゲアゲくん
どうやったら嬉しい気持ちでケーイチ君は門限を守ると思いますか?
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
「信じて待つ」かな?
アゲアゲくん
それも一つです。信じてくれたら嬉しい。
アゲアゲくん
まだありますよ。
ミドリさん
どうやったら嬉しい気持ちでケーイチは帰ってくるか・・・・。
ミドリさん
「あなたのことが心配だから?」
アゲアゲくん
正解です♪
ミドリさん
ひぇー!でも照れくさいなぁー。
アゲアゲくん
 言われる方は嬉しいですよっ!
アゲアゲくん
もう一個くらい考えましょう。
ミドリさん
うーん。
ミドリさん
「夜は危ないから早く帰っておいで」とか?
アゲアゲくん
そうですね。照れずに言えるのは、その辺りでしょう。
ミドリさん
裏側には「あなたのことを心配に思っています」という気持ちがあるのね。
アゲアゲくん
そう。正論じゃなくてね。
アゲアゲくん
正論はストレスを招きます。相手に響かないのですよ。
ミドリさん
うん。そうかもしれないね。
アゲアゲくん
じゃあ、やってみますか?
ミドリさん
そだね。

 

後日

ミドリさん
遅い・・・。
アゲアゲくん
僕は透明になってますね。アゲアゲチェーンジ
ミドリさん
よろしく。
アゲアゲくん
嬉しさマインドで。
アゲアゲくん
どう言えば嬉しい気持ちでケーイチ君は帰ってくるか」で考えましょう。
ミドリさん
了解!頑張る!
アゲアゲくん
恥ずかしいとか考えちゃダメですよ。
ミドリさん
ラジャー!
ケイイチ
ただいまー。
ミドリさん
きた!
ミドリさん
おかえりー。
ケイイチ
あれ?普通だ。
ミドリさん
あのさー。
ケイイチ
なに?
ミドリさん
帰りが遅いとさー。心配なっちゃうから。
ケイイチ
あぁ。
ミドリさん
夜も危ないし。早く帰ってきて。
ケイイチ
うん。連絡するよ。

バタン!(部屋に入る)

ミドリさん
ふぅー。良かったんじゃないかな??
アゲアゲくん
照れずによく言えましたね。
ミドリさん
アゲアゲくんがそうしろって言ったんじゃない。
アゲアゲくん
そうでした。
ミドリさん
あとは信じればいいのね。
アゲアゲくん
はい。
ミドリさん
言いながら気づいたよ。
ミドリさん
怒鳴りたくないなら怒鳴らなくていい。そこからも道はある。
アゲアゲくん
はい。
ミドリさん
今日はアゲアゲくんの言う通りにしたけど、自分のやり方でいいんだよね。
アゲアゲくん
そうです!「違うな」と思うならアレンジしてOK!
アゲアゲくん
「嬉しくない」と感じてるのにやる。これがいけないんです。サゲ親の正しさマインド。
ミドリさん
今日はやり方は嬉しかったよ。
アゲアゲくん
なら続けましょう。
ミドリさん
それでいいんだよね。
アゲアゲくん
いいのです!
アゲアゲくん
嬉しさマインドには嬉しさが返ってきます。
アゲアゲくん
ケーイチ君が大人になったとき。楽しみにしててください。
ミドリさん
えぇっと、親孝行してくれるってことかしら?
アゲアゲくん
はい。
ミドリさん
いやーん♡ステキー♪早く来てほしーな♪
アゲアゲくん
・・・。
ミドリさん
・・・ハッ!?
ミドリさん
失礼しました。
アゲアゲくん
いえいえ、ステキです♪

 

門限を守る子と守らない子の違い

ストレートに言いますと。

門限を守らない子は「守りたくない」のです。

守る子は「守りたい」のです。

それ以外の理由は「怖い」「仕方ない」などの理由で守っています。

 

「天岩戸」というお話しをご存知でしょか。

 

岩戸に隠れた太陽の神様。

出てきてもらうために人々は色んな方策を講じます。

誘ってもダメ。理屈を並べてもダメ。

神様が出てきたのは、外での宴会騒ぎが理由でした。

楽しそう、嬉しそう。そんな感情が人を動かします。

 

中学、高校生はまだまだ感情で生きています。

彼らに響くのは、感情です。嬉しいという気持ちですね。

 

門限はあった方がいいと思います。

 

日中、平和な駅前でも、夜になると危険になります。

公園でも、コンビニ前でもどこでも同じですよね。

夜間になると安全な場所というのは、ほぼなくなってしまいます。

 

事件が起こってからは遅いです。

嬉しさマインドでもって「嬉しい気持ちで門限守ってもらおう」と思ってください。

 

そう思えば、どうでしょうか。

今までとは違う、話し方、態度、ニュアンスが浮かんでくると思います。

 

正しさマインドで言うと反発されます。

嬉しさマインドで言えば喜ばれます。

 

門限でも、勉強でも、何でも。

マインドの違いで、結果は天地ほど違うと思っていてください。

 

こちらのサイトではアゲ親になる方法として、様々な練習問題を設定しています。

今回もその一例。

色んな問題を読んで解いて、アゲ親の感覚を掴んでいただければと思います。