第65回 誰のために?

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アゲアゲくん
ゲ!ゲ!アゲゲのゲー
アゲアゲくん
朝は寝床でアーゲアゲ♪
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
悪いんだけどさ。
アゲアゲくん
アゲたいな♪アゲたいな♪
ミドリさん
静かに歌ってくれない!?
アゲアゲくん
あ!これは失礼!
スマホ
プルルー♪プルルー♪
ミドリさん
はい。あ、母さん。
ミドリさん
え!?そうなの!スゴいね!
ミドリさん
うん、分かった。伝えておく。じゃあね。
アゲアゲくん
どうしたんですか?
ミドリさん
母さんから。
アゲアゲくん
なんて?
ミドリさん
兄さんの子がね。N高校に推薦合格したって。
アゲアゲくん
N高校?
ミドリさん
偏差値めちゃくちゃ高い学校だよ。
アゲアゲくん
それはスゴいですね。
ミドリさん
・・・。
アゲアゲくん
落ちこんでいるのでしょうか??
ミドリさん
あぁ、変だよね。
アゲアゲくん
なぜでしょう??
ミドリさん
兄さんはね。優秀なんだよ。
ミドリさん
母さんたちの期待に応えられるんだ。
ミドリさん
「兄さんのは子どもたちまで優秀なんだな」って。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
・・・。あはは。良くないね、この考え。
アゲアゲくん
・・・。
ミドリさん
さて。
ミドリさん
お祝いLINEしておくか。
アゲアゲくん
ミドリさんの気持ち次第ですが。
アゲアゲくん
短文でいいですよ。
ミドリさん
・・・。そうするよ。

翌朝

ミドリさん
おはよー。ミサキ。
ミサキ
・・・。
ミドリさん
ヤバイ。元気がない。
ミドリさん
また学校行かないつもりかも・・・。
ミサキ
ごちそうさま。
ミドリさん
・・。こうなったら。
ミドリさん
勢いで登校させよう!
ミドリさん
ほら!元気だして!!
ミドリさん
はい、給食エプロン。
ミサキ
・・・。
ミドリさん
ランドセル持って来たげるよ!!
ミサキ
・・・。いい。
ミドリさん
何言ってるの!?
ミドリさん
行かなくちゃいけないの!
ミドリさん
ほら!ランドセル!
ミドリさん
背負わせたげるから!!
ミサキ
・・・!?
ミドリさん
車で送ったげようか!?
ミサキ
いい!自分でいく!!
ミドリさん
じゃあ行きなさい!
ミサキ
・・・。
ミサキ
・・・。

ガチャ(ミサキ玄関を出て行く)

ミドリさん
行ったかぁ。
ミドリさん
疲れるなぁ。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
ホントにこれでいいのかな。
アゲアゲくん
おはよーございます。
ミドリさん
あ、いいところに・・・
アゲアゲくん
!?
アゲアゲくん
なるほど。ミサキちゃんを登校させたんですね。
ミドリさん
また不登校になる気がして。
ミドリさん
間違ってない気がするんだけど。
ミドリさん
なんだろう。このモヤモヤは?
アゲアゲくん
お話しうかがいますよ。
ミドリさん
お願い。
アゲアゲくん
んー。では。
アゲアゲくん
なぜ学校行かせたのでしょう?
ミドリさん
三学期も始まったばかりじゃない?
ミドリさん
辛いのは分かるけどさ。もうちょっと頑張れるんじゃないかな。
アゲアゲくん
・・・。そうですか。
アゲアゲくん
学校って・・そもそも行かないとダメですか。
ミドリさん
そりゃそうでしょ。
ミドリさん
学校行かずに引きこもりやニートになってさ。
ミドリさん
それこそ親失格じゃないの?
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
・・・。うーん。
アゲアゲくん
それはサゲ親の常識です。
ミドリさん
 ・・!!
ミドリさん
でもさ。
ミドリさん
引きこもりになってもいいの?
アゲアゲくん
信じているのですよ。
ミドリさん
あぁ、そうなのか・・。
ミドリさん
・・・。私はそうなれないな。
アゲアゲくん
そんなことはないですよ。
アゲアゲくん
質問していいですか。
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
引きこもりやニートはなぜいけないのですか?
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
なんでだろう。
ミドリさん
世の中に迷惑かけてるから??
アゲアゲくん
だから学校へ行かせたのですか?
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
違う。
ミドリさん
今朝の私は・・。
ミドリさん
学校行かせることしか考えてなかった。
アゲアゲくん
ミサキちゃんが家出たあと、どう思いましたか。
ミドリさん
しばらくして。「なんか違う」って。
アゲアゲくん
違和感があったのでしょうか。
ミドリさん
うん。そうだ。そうだよ。
アゲアゲくん
違和感の正体は何でしょう?
ミドリさん
なんだろう。
ミドリさん
「違う」って思ったけど。
アゲアゲくん
何が違うのですか?
ミドリさん
「これは私じゃない」って。
アゲアゲくん
私じゃない?
ミドリさん
うん。上手には言えないけど、そんな感じだよ。
アゲアゲくん
ミドリさんはどんな母親でいたいですか。
ミドリさん
優しい母でいたい。
アゲアゲくん
優しい母ってどんな人でしょう?
ミドリさん
私が思う優しいお母さんってこと?
アゲアゲくん
そうです。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
何があっても微笑んでいられるお母さん・・かな。
アゲアゲくん
・・今はどうでしょう?
ミドリさん
怒鳴っているね。
ミドリさん
・・・。
アゲアゲくん
ミドリさん、本当は。
アゲアゲくん
「学校行かなくてもいい」と思っているんじゃないですか。
ミドリさん
えぇ?そうなのかな?
アゲアゲくん
誰かが邪魔をしている気がします。
ミドリさん
・・!もしかして。
ミドリさん
昨日、母さんからの電話。
ミドリさん
兄さんの子どもがN高校合格した話。
ミドリさん
関係しているのかな。
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
大いにあるでしょう。
ミドリさん
あぁ、そうか。
ミドリさん
兄さんの子はN高校。
ミドリさん
ウチの子は学校すら行けない。
ミドリさん
劣等感を感じたんだね。
ミドリさん
サイアクだな、私。
アゲアゲくん
いや、少し違います。
ミドリさん
なにが??
アゲアゲくん
今回の件は。
アゲアゲくん
反省した自分を誇って。
アゲアゲくん
落ちこむのはやめておいた方がいいかと!
ミドリさん
そんなのダメだよ。
アゲアゲくん
いえいえ。僕がOK出しますよ。
アゲアゲくん
昨日の電話がなかったらね。
アゲアゲくん
今朝の一件は起らなかったのではないですか。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
そう・・かも。
アゲアゲくん
では。
アゲアゲくん
これからどうしましょうか。
ミドリさん
自分と兄さんを比べないようにしたいな。
アゲアゲくん
どうすれば比べないようになりますかね。
ミドリさん
考えないようにすることかな??
アゲアゲくん
どうでしょう。出来そうですか?
ミドリさん
・・・。難しそう。
アゲアゲくん
お兄さんとは頻繁にやり取りしますか?
ミドリさん
少ないよ。
アゲアゲくん
今でも比べちゃうのはなぜでしょう。
ミドリさん
母さんの影響だと思う。
アゲアゲくん
・・・。では?
ミドリさん
・・・母と関わりを持たない?
アゲアゲくん
・・。関わりたいですか?
ミドリさん
・・・。複雑だけど。
ミドリさん
今は関わりたくないな。
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
ミドリさんがね。決めていいことなのですよ。
ミドリさん
そんなの許されるのかな。
アゲアゲくん
お母さんと距離を置くことが?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
僕はね。
アゲアゲくん
ミドリさんが幸せになればそれでいいのです。
ミドリさん
え!?
ミドリさん
ゴメン。どう思えばいいか分からないよ。
アゲアゲくん
慣れませんか。
ミドリさん
そうだね。
アゲアゲくん
次第に慣れますよ。
アゲアゲくん
サゲ親は条件をつけます。
アゲアゲくん
アゲ親は無条件です。
アゲアゲくん
僕は無条件で、幸せのお手伝いをします。
ミドリさん
そ、そんなのって!??
アゲアゲくん
いけませんか。
ミドリさん
経験ない感覚だよー。
アゲアゲくん
良かった。イヤじゃないんですね。
ミドリさん
もちろん!!
アゲアゲくん
お母さんと距離を置くこと。
アゲアゲくん
僕は支持します。
ミドリさん
大丈夫なのかな。不安だよ!?
アゲアゲくん
お母さんになんて思われるか?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
では、今回は保留にしておきますか。
ミドリさん
それでいいの?
アゲアゲくん
いいですよ。

 

 

無条件のアゲ親学

不登校を根本的に解決するのがアゲ親学です。

「私はアナタの味方だからね」

そう思えるほど、問題は解決します。

 

「アナタの味方だから」

そう思うのが難しい世の中になってはいないでしょうか。

 

ミドリさんで言えば、実のお母さんがネックになっています。

お母さんは幼い頃から、兄とミドリさんをずっと比較してきました。

 

アナタにも自分の気持ちに真っ直ぐになれない何かがあるはずです。

気づけば変わっていけます。

 

引き続きアゲ親学、学んでください。