第64回 もう一つの常識

夜・電車のオモチャで遊び中

ユウスケ
あはは。
ミドリさん
ゆーすけ。お風呂入ろう?
ユウスケ
あはは。
ミドリさん
無視・・・
ミドリさん
遊ぶのはまた明日にしようね。
ユウスケ
あはは。
ミドリさん
・・・。ムカ💢
ミドリさん
イカン。怒っちゃダメだ。
ミドリさん
 3,2,1。はいおしまーい。
ユウスケ
あはは。
ミドリさん
ブチ!💢
ミドリさん
ヤメロ!!
ユウスケ
・・!!?

ガッシャン!(ゆーすけオモチャ放り投げる)

ミドリさん
!!

バシーン!!

ユウスケ
うわーーーー!!!
ミドリさん
・・・。
ユウスケ
うわーーーー!!!
ミドリさん
・・・あぁ。まただ
ミドリさん
・・・。
アゲアゲくん
・・・。

コトッ(カップを置く音)

アゲアゲくん
・・・・。
ミドリさん
・・・。あのね。
ミドリさん
私の親は毒親だと思う。
ミドリさん
テスト良かったら褒められて、ダメだったらけなされる。
ミドリさん
絵を描くのが好きだっただけどさ。
ミドリさん
全く褒めてくれなかった。
ミドリさん
外ではお上品にしないと怒られた。
ミドリさん
叩かれたこと、何度もあったよ。
ミドリさん
穏便に家出するため受験勉強頑張ったしね。
ミドリさん
結婚したのは家族に憧れたんだよ。
ミドリさん
いや、寂しかったのかな。
ミドリさん
「自分がされたことは我が子には絶対にしない」
ミドリさん
そのつもりだったんだけどね。
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
まずはコーヒー飲みませんか。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
ずず・・。
アゲアゲくん
ありがとうございます。
アゲアゲくん
今日はもう休みますか。
ミドリさん
まだいい。どうすればいいか教えて。
アゲアゲくん
分かりました。
アゲアゲくん
質問しますよ?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
・・なぜ叩いたのでしょう。
ミドリさん
カッとなった。
アゲアゲくん
なぜカッとなったのですか。
ミドリさん
遊びをやめないから。
アゲアゲくん
遊びをやめないことが許せないんですね。
ミドリさん
・・・。そうだね。
アゲアゲくん
子どものころはどうでしたか?
ミドリさん
私が?遊びをやめなければ?
アゲアゲくん
はい。
ミドリさん
叩かれたね。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
繰り返しているのかぁ。
アゲアゲくん
誰に叩かれましたか?
ミドリさん
父と母、両方だよ。
アゲアゲくん
なぜお父さんやお母さんは叩いたのでしょうね。
ミドリさん
分かんない。
ミドリさん
けど・・しつけじゃないかな??
アゲアゲくん
しつけ、ですか。
ミドリさん
母さんはしつけだったと思うよ。
アゲアゲくん
お母さんは何を教えたかったのでしょう。
ミドリさん
「ワガママはダメ」じゃないかな。
アゲアゲくん
ミドリさんはお母さんになって。
アゲアゲくん
「ワガママはダメ」って思いますか。
ミドリさん
・・うん。思う。
ミドリさん
「許したら増長するんじゃないか」って焦る。
ミドリさん
お風呂に入らないのも良くないじゃない?
アゲアゲくん
そうですね。
ミドリさん
私の考えがおかしいの?
アゲアゲくん
おかしくはないですよ。
ミドリさん
じゃあ何が問題なの?
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
サゲサゲの常識しか知らないことですね。
ミドリさん
偏っているのかな??
アゲアゲくん
そういうことになります。
ミドリさん
じゃあさ。
ミドリさん
アゲ親の常識って?
アゲアゲくん
子どもはワガママなものです。
ミドリさん
それで当たり前?
アゲアゲくん
はい。
ミドリさん
お風呂は?
アゲアゲくん
「入らなくても死にはしないんだし」
アゲアゲくん
「そのうち分かるだろう」
アゲアゲくん
そう思っています。
ミドリさん
なんで私は思えないんだろう。
アゲアゲくん
誰かに教えてもらいましたか。
ミドリさん
・・・教わってないね。
アゲアゲくん
・・ということは?
ミドリさん
思えないのも当たり前、か。
アゲアゲくん
そのとおり。大丈夫ってこと!
ミドリさん
アゲ親は自分の父母から学んでいるの?
アゲアゲくん
そのパターンは多いです。
ミドリさん
私みたいな育ちでも大丈夫なの?
アゲアゲくん
それは間違いなく。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
はぁー。
ミドリさん
ちょっと安心した。
アゲアゲくん
うん、安心してください。
ミドリさん
私、いい加減に変わらないと。
ミドリさん
子どもたちに愛想つかされちゃうね。
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
昔の自分と重ねてしまうのですか?
ミドリさん
「この親もういい」そう思ったからねぇ。
ミドリさん
いつかさ。
ミドリさん
子どもたちみーんな出ていって。
ミドリさん
私一人になるんじゃないかって。
アゲアゲくん
・・・。考え過ぎですよ。
ミドリさん
・・・。
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
僕は出ていかないですからね。
ミドリさん
・・・!
ミドリさん
ありがとう。
アゲアゲくん
僕がここにいたいのですよ。

 

 

サゲサゲの常識

この世にはアゲ親とサゲ親がいます。

 

サゲ親の常識は100%間違っているわけではない。

ただ片方しか知らないため悩んでいる人は多い。

 

アゲ親の常識を知れば。

ワガママを微笑ましく思うことも可能ですから。

 

このサイトではアゲ親の常識を語ります。

続ければ変われます。

諦めないでください。

アゲアゲくんは応援していますよ。