第22回 不登校の解決はエナジー

ミドリさん
ユイおはよー。
ユイ
おはよー、母さん。
ミドリさん
あら、食べないの?
ユイ
うん・・・。
ミドリさん
・・・?
ユイ
ねぇ、母さん。
ユイ
学校って行かなくちゃダメ?
ミドリさん
えっ!?
ミドリさん
ど、どんな返事したらいいんだろう??
ミドリさん
そ、そうね!行っておいた方が将来のためになるんじゃない?
ミドリさん
母さんは「学校行って良かったなぁ」って思ってるよ、うん。
ユイ
分かった。いただきます。
ミドリさん
どうぞ!どうぞ。おかわりあるわよ、あはは。
ミドリさん
ひぇー。これって不登校の前兆じゃないの!?

~しばらくして~

ミドリさん
アゲアゲくん!アゲアゲくん!
ミドリさん
あれ?いない??大事なときに!
ミドリさん
出てきてってば!アゲアゲくん!
アゲアゲくん
ストッッォップ!!シンキンーーー!!
ミドリさん
わー!!
ミドリさん
でも今日は救いの声に聞こえるわ!
アゲアゲくん
焦っていますね
ミドリさん
めちゃくちゃ焦ってます
アゲアゲくん
ユイちゃんが不登校になりそうなんですねぇ。
ミドリさん
知ってるの!?
アゲアゲくん
全部みてました
ミドリさん
なんでそんな余裕なわけ!?
ミドリさん
所詮は人ごとなのかなぁ。そもそも人じゃないけど。
アゲアゲくん
なんで焦ってるんですかぁ?
ミドリさん
!!
ミドリさん
この赤妖怪ー!!
アゲアゲくん
はぐわっ!!
ミドリさん
「冷血」とはこのことね!無駄に赤い!
アゲアゲくん
アイタタ。良かった。いつものミドリさんだ。
ミドリさん
アゲアゲくん
今、頭がパニクってたでしょ?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
それ、サゲサゲです。
アゲアゲくん
考えすぎるとマイナス思考になります。
アゲアゲくん
今、最悪の事態が浮かんでたでしょ?
ミドリさん
うん。
ミドリさん
ユイが不登校になって、家族がめちゃくちゃになると思ってたーー!
アゲアゲくん
それ現実化するので気をつけてください!
ミドリさん
えー!私、危ないとこだったのかな??
アゲアゲくん
危ないとこでしたよ。
ミドリさん
不登校なんて、どうしていいか分からないの。
アゲアゲくん
まずは落ち着く。鉄則です!
アゲアゲくん
次は・・・
ミドリさん
つ、次は?
アゲアゲくん
朝ご飯食べましょう。お腹空いた
ミドリさん
ガクッ!
ミドリさん
で、でもそれが正解かもね。
アゲアゲくん
正解ですよ。ますは腹ごしらえといきましょう。

 

冷たいわけでなく

初登場のユイちゃんは中学1年生。

マジメな性格で、優等生です。

「手のかからない良い子だ」と思ってたミドリさんは大慌て。

 

対してアゲアゲくんは冷静ですが、この差がアゲアゲとサゲサゲの違いです。

決して優しくないとか、どうでもいいとかじゃないんです。

 

アゲアゲくんは不登校を悪・問題と思っておらず、チャンスと思っています。

 

サゲ親ほど、平均化や均質化を求めます。

アゲ親は個性や我を尊重します。

 

今、世の中はサゲサゲです。

誤解を恐れず言えば、不登校を悪・問題とみているのが世間です。

 

アゲアゲくんは不登校を「それは当然」という感覚で観ています。

例えるなら、不良の子が学校サボるのも不登校です。

アゲアゲくんには同じに見えるのです。

 

この差に「不登校をバネに成長できた」となるか、深刻化を招くか、の分かれ道があります。

 

アゲアゲエナジー

ミドリさん
ごちそうさまでしたー。
アゲアゲくん
ごちそうさまでしたー♪
ミドリさん
じゃあアゲ親学聞かせて。
アゲアゲくん
洗い物終わってからにしましょう。
ミドリさん
ガクっ!そ、そうね。
アゲアゲくん
テレビ観てますから。
ミドリさん
普段は「聞いてくださいー!」ってまとわりつくのに・・
ミドリさん
不安だなー。ウチはどうなるんだろう・・・
ミドリさん
終わったよー。
アゲアゲくん
お疲れ様です。 ご自身と向き合えたでしょうか。
ミドリさん
!?
アゲアゲくん
ではお話しましょう。
ミドリさん
お願いします。
アゲアゲくん
不登校の解決はアゲアゲエナジーの増大。これに尽きます。
ミドリさん
アゲアゲエナジーって「気力」「精神力」とかよね。
アゲアゲくん
そうですね。
アゲアゲくん
今、ユイちゃんはアゲアゲエナジーが枯渇しているのです。
アゲアゲくん
今、どんな気持ちで学校にいると思います??
ミドリさん
孤独と不安かな。
アゲアゲくん
そうですね
アゲアゲくん
「行かなくちゃ」「でも行きたくない」そんな狭間で悩んでいるのでしょう。
アゲアゲくん
ミドリさんも今、悩んでますね?
ミドリさん
すごく焦っています。
アゲアゲくん
その何千倍もの不安をユイちゃんは抱えていると想像しておいてください。
ミドリさん
な、何千倍!??さすがに大げさじゃない??
アゲアゲくん
いえ。「数万倍」でもいいくらいです!
ミドリさん
えぇ!??
アゲアゲくん
ミドリさん、こう考えてはないですか?
アゲアゲくん
「サボりたいのかも」「甘やかしたかな」「本当は行けるのでは?」
ミドリさん
えぇ!!・・・うん。さっき頭をよぎってたよ・・
アゲアゲくん
ミドリさん・・・
アゲアゲくん
アゲアゲチェェェェック!!
ミドリさん
やっぱりー!
アゲアゲくん
それ無理解です!
アゲアゲくん
アゲアゲエナジーについておさらいしましょう。※詳細は第20回。
ミドリさん
お願いします!
アゲアゲくん
アゲアゲエナジーとは!
アゲアゲくん
一つ!「エナジー増減=成功or不成功」といえる黄金の法則
アゲアゲくん
2つ!エナジーは「〇〇ドリンク」みたいな栄養補給で回復するのでは非ずっ!
アゲアゲくん
3つ!エナジーとは「気力」「精神力」「情熱」といった心のエネルギーである!
ミドリさん
うんうん。思い出した!
アゲアゲくん
OK!ここから本題!
アゲアゲくん
子どものエナジー減らすのは何でしょう?
ミドリさん
??
アゲアゲくん
減らすのはズバリ!大人の無理解!!
アゲアゲくん
「誰も自分の気持ちを分かってくれない」「私は僕はこんなに悲しいのに・・」
アゲアゲくん
大人の無理解が子どものエナジーを根こそぎ奪うのです!!!
ミドリさん
あー!それ経験ある!
アゲアゲくん
そう!「無理解によりエネルギー奪われる」子どものころ誰もが経験あります!
アゲアゲくん
そもそも大人が悩むポイントはズレているのです!
ミドリさん
え?そうなの??
アゲアゲくん
大抵の大人は「近所で噂になるかな・・」「親戚に隠さなきゃ」「不登校なんてみっともない」など世間体を気にして子どもに寄り添えないのです!!
ミドリさん
がーん!
アゲアゲくん
無理解は仕草や雰囲気で子どもに伝わります!!
アゲアゲくん
あげくに「学校行くのはあなたのため」と的外れな声かけに!!
ミドリさん
今朝、それ言っちゃったー!
アゲアゲくん
世間体こそが!大人の無理解の元凶なのですー!!
ミドリさん
あーさっきまでの私じゃないー!!
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
強く言いすぎたかな。
ミドリさん
あーユイ!こんな母さんでゴメンねー!
アゲアゲくん
いい人だなぁ。しみじみ
アゲアゲくん
大丈夫ですよ。ミドリさん。
アゲアゲくん
今朝の態度は悪いモノじゃありません。
アゲアゲくん
頭ごなしに言ってないですよね。
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
引き分けくらいなものですよ。
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
エナジーは無理解で減ります。でも理解で増えるんです。
アゲアゲくん
今の気持ちがあれば必ず増やせます。
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
大事なのは「この子は私の何千倍も悩んでいるんだ。不安なんだ」という思いやりです。
アゲアゲくん
思いやりが前提になっていれば、無理解は起こりません。
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
そこまで落ち込めるのは、向上心と愛情の深さですよ。
ミドリさん
うん。ありがと。
ミドリさん
今、どんな気持ちで学校にいるんだろう・・・
アゲアゲくん
 やり過ぎたか。ゴメンね

~夕方~

ユイ
ただいまー。
ミドリさん
おかえりー。
ミドリさん
この子は私の何千倍も悩んでいる。苦しんでいる・・・。
ミドリさん
ユイ!学校なんて自由にしたらいいんだよ。
ユイ
ミドリさん
母さんもさ、子どものころはズル休みしたもん。
ユイ
ミドリさん
休んだっていいんだからね。
ユイ
うん。
ミドリさん
晩ご飯なにかリクエストある?
ユイ
えー何でもいいよー。
ミドリさん
そう。分かったー。

~夕食~

アゲアゲくん
わー今晩はオムライスですね!
アゲアゲくん
サラダ山盛り!
アゲアゲくん
デザートはプリン!
アゲアゲくん
気合い入ってますね!ミドリさん!
ミドリさん
そう?いつも通りじゃない。
ミドリさん
気合い入れすぎたか・・・
ユイ
私の好きなのばっかだ・・・。
アゲアゲくん
・・・。

~夕食後~

ミドリさん
さて片付けるか。
アゲアゲくん
ミドリさん、ミドリさん。
ミドリさん
なに?
アゲアゲくん
洗い物、手伝いますよっ!
ミドリさん
えー!そんなの初めてじゃない!?ありがとー♪
アゲアゲくん
たまにはね

 

無理解は下がる

「自分の気持ちを理解してくれない」

そんな無理解はエナジーを奪い去ります。

 

エナジーを失った瞬間は「どーんっ!」と肩から背中にかけて、30kgの重しを乗せられたような感覚になります。

 

子どもは感受性の塊です。

「この子は何千倍も苦しんでいる」

この前提で間違いありません。

大人の数倍の、嬉しいや楽しいを子どもたちは感じているのです。

 

サゲサゲの価値観にお気をつけください。

サゲ親は正解の行動をひたすら取らせようとします。

子どもからすれば「気持ちを分かってくれない」と無理解なのです。

 

ある社会人になった30代の男性は、小学校から中学校まで不登校でした。

彼は朝、夕方と登下校する級友たちを眺めては自らを責めていたそうです。

 

やがて彼は偶発的に、不登校の子が集まる会に参加しました。

そこで「折角不登校になったんだから遊ぼうぜ」という大人たちと出会いました。

 

寄り添ってくれる大人達に囲まれ、彼は前向きさを取り戻していきました。

今、彼は自分の経験を、同じ不登校で悩んでいる子どもたちに向けて情報発信しています。

 

不登校の解決は本人がするものです。

「この子は私の数千倍悩んでいる。苦しんでいる」

その前提に立てば、無理解は避けられます。

 

やがてエナジーが回復していきます。

自ら扉を開けるようになります。