第52回 教えるより思い出

夕食中

ミドリさん
ほら、ゆーすけ。トマト残ってるよ。
ユウスケ
いらない。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
半分だけでいいから食べなさいって。
ユウスケ
いらない!
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
一口でいいから?
ユウスケ
いらない!💢
ミドリさん
イラ💢
ミドリさん
口つけるだけでいいから。
ユウスケ
イヤ!!💢
ミドリさん
あっそ!もういいよっ!ご飯おしまいだね!

 

ガチャガチャ(食器かたづける音)

ユウスケ
・・・!
ユウスケ
・・・ぐすん。

ガシャン!!(食器を流し台に入れる)

ミドリさん
・・・。
ミドリさん
・・はっ?
ミドリさん
しまった・・・。やってしまった。
ユウスケ
えーん!
ミドリさん
あぁ、怒るとこじゃなかったよね。
ミドリさん
・・・。謝ろうかな。
ミドリさん
・・。でも謝ったら図に乗るかも。
ミドリさん
「泣けば許される」
ミドリさん
そんな風に思われたらどうしよう。
ミドリさん
・・!頭の上になにか?

※アゲアゲくんは変化・伸縮自在です。

アゲアゲくん
ストップぅぅぅ。シンキングぅぅ。
ミドリさん
のわー!!
アゲアゲくん
ミドリさん考えすぎ!
ミドリさん
アンタ怖すぎ!!
アゲアゲくん
今、ピンチでしたね。
ミドリさん
人が落ちこんでいるときに・・・。
アゲアゲくん
「戦いマインド」になってますよ。
ミドリさん
え?
アゲアゲくん
最もなってはいけないマインド。
アゲアゲくん
サゲサゲの底辺です。
ミドリさん
て、底辺!
アゲアゲくん
親子は戦いの関係になってはいけないのです。
ミドリさん
戦い!?
ミドリさん
・・・。さっきの私とゆーすけのこと?
アゲアゲくん
はい。
ミドリさん
「嫌いなトマトを食べなさい」と私が言って。
アゲアゲくん
「イヤだ」とゆーすけ君が拒否をする。
ミドリさん
戦いってことか。
アゲアゲくん
付け加えて。
アゲアゲくん
「謝ったら図に乗るんじゃないか」とも思ってましたね。
ミドリさん
・・うん。
アゲアゲくん
それも戦いのマインドです。
ミドリさん
・・あぁ。
アゲアゲくん
怒ったあと、辛かったでしょ?
ミドリさん
・・うん。
アゲアゲくん
戦わなくていいんですよ。
ミドリさん
食べ物好き嫌いあっていいの?
アゲアゲくん
ゆーすけ君が決めたらいいことじゃないですか?
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
謝ったら、つけあがるんじゃないかな?
アゲアゲくん
そんなの誰にも分からないですよ。大丈夫!
ミドリさん
・・・。そうか。
ミドリさん
怒ったあとにね。「違うな」と思ったんだ。
アゲアゲくん
それが答えですよ。
ミドリさん
どうしよう。謝ろうかな。
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
ゆーすけ君泣きやみましたね。
ミドリさん
ゆーすけのところ行ってくる。
アゲアゲくん
では僕は片付けておきましょう。
ミドリさん
ありがとう。
ミドリさん
謝ってきたよ。
アゲアゲくん
そうですか。
ミドリさん
「戦いマインド」はサゲ親の底辺なんだって?
アゲアゲくん
刺激的な表現でゴメンナサイ。
アゲアゲくん
ただ最も避けるべきマインドなのです。
アゲアゲくん
サゲサゲは正しさで考えます。
アゲアゲくん
もっとサゲサゲになるとね。戦いが始まるのです。

アゲアゲくん
これだけは何としてでも抜けなければ!
ミドリさん
親子は戦いじゃない、か。
アゲアゲくん
「親vs子」にならないようにしてください!
ミドリさん
んー。
ミドリさん
でも不安になっちゃうよー。
アゲアゲくん
許すことがですか?
ミドリさん
うん。悪い方向へ行くんじゃないかって。
アゲアゲくん
子育ての定義が違うのだと思います。
ミドリさん
え?
アゲアゲくん
子育てとは良い思い出をつくることですよ。
ミドリさん
・・思い出?
アゲアゲくん
はい。人が良くなるのは思い出です。
ミドリさん
良い思い出が人を良くするの?
アゲアゲくん
はい。アゲ親はそう考えています。
ミドリさん
サゲ親は?
アゲアゲくん
教育が人を良くすると思っています。
アゲアゲくん
好き嫌いはダメって教えるよりね。
アゲアゲくん
楽しかった食事の思い出が大事だと思っているのです。
ミドリさん
好き嫌いは放ったらかし??
アゲアゲくん
アゲ親は楽しい範囲内で教えます!
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
なんで私はアゲ親のように思えないんだろう。
アゲアゲくん
思わせてくれない仕組みがあるのですよ。
ミドリさん
仕組み?
アゲアゲくん
世の中はサゲ親の方が多いのです。
アゲアゲくん
教育すれば人は良くなる。
アゲアゲくん
この考えは少なくないのです。また声が大きい。
ミドリさん
声が大きい?
アゲアゲくん
「戦い」「正しさ」のマインドは批判するのを好むのです。
ミドリさん
私、批判されると弱いんだ。
ミドリさん
「やらなきゃ」って意識しちゃうよね。
アゲアゲくん
そうですよね。
アゲアゲくん
人間関係にも気をつけてください。
アゲアゲくん
ミドリさんのお母さんやお父さんは好き嫌いを許してくれましたか?
ミドリさん
ダメって言われた。
アゲアゲくん
戦いをしかけられてはなかったですか?
ミドリさん
・・・。あぁ、そうだよ。
ミドリさん
私はずっと親とは戦いだったなぁ・・。
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
全く別の親子関係があるのですよ。
ミドリさん
それがアゲ親?
アゲアゲくん
そうです。
アゲアゲくん
親子は仲間であり、嬉しさを大事に生きていいんです。
アゲアゲくん
ちゃーんと子どもは育ってくれますから!
ミドリさん
イヤなら戦わなくていい?
アゲアゲくん
いいですよっ!♪
ユウスケ
お母さん、電車していい?
ミドリさん
え?いいよ。
ユウスケ
わーい。

タタタッ(ゆーすけ電車のオモチャ取りに行く)

ミドリさん
機嫌直ったみたいだね。良かった。
アゲアゲくん
・・さて問題です。
ミドリさん
アゲアゲくん
アゲ親はこんなときどうするでしょう?
ミドリさん
戦いじゃないんだよね。
アゲアゲくん
そうですね。
ミドリさん
子育てとは思い出なんだよね。
アゲアゲくん
はい。
ミドリさん
良い思い出が人を良くするんだよね。
アゲアゲくん
その通りです。
ミドリさん
一緒に遊ぶとか?
アゲアゲくん
大正解。
ミドリさん
良かった。
ミドリさん
遊んでくるね。
アゲアゲくん
いってらっしゃい。

 

教えるより思い出

戦いのマインドを強要してくる人もいます。

 

例えば学校や園も、戦いマインドの先生は多くいます。

親子ともに心ない言葉を言われ、動揺することもあると思います。

 

気にしなくていいんです。

 

戦いを避けるため逃げたって構いません。

子どもに負けてもいいのです。

そもそも戦いではないのですから。

 

良い思い出を重ねていけば人は良くなっていきます。

 

「一緒に遊ぶのが苦手だ」

「子どもを憎たらしいと思ってしまう」

そんな方でも大丈夫です。

 

今、戦いの真っ最中なのだと思います。

人生の夜を感じているのかもしれません。

 

ただ。

戦いに気づけたら「夜明け」は近いですよ。

 

抜ける方法はありますから。

引き続きアゲ親学を読んでいってください。