第54回 大掃除のススメ
~年末・大掃除中~
ミドリさん
この時期は忙しいなぁ。
アゲアゲくん
あっはっは!
ミドリさん
仕事納めで大掃除。
アゲアゲくん
ぎゃっはっは!
ミドリさん
終わったらお正月だもんなぁ。
アゲアゲくん
だっはっはー!!
ミドリさん
・・・。
アゲアゲくん
ひぃーーー!!
ミドリさん
吸い取るぞ、このやろー!!
アゲアゲくん
やめてー!吸わないでー!!
ミドリさん
ちょっとは手伝ってよ。
アゲアゲくん
もう。しかたないなー。
~ミドリさんの部屋・片付け中~
ミドリさん
・・・はぁ。
アゲアゲくん
どうしました?
ミドリさん
イヤなものみつけちゃった。
アゲアゲくん
何を?
ミドリさん
カバン。
アゲアゲくん
何がイヤなんですか?
ミドリさん
親戚の伯母さんからもらったものなんだけどね。
ミドリさん
伯母さん苦手なの。見る度に思い出しちゃって。
アゲアゲくん
捨てたらいいじゃないですか。
ミドリさん
「もらったのに悪いかな」って。
アゲアゲくん
むー。
アゲアゲくん
もしかして。
アゲアゲくん
ミドリさん、もらったものは捨てられないタイプですか?
ミドリさん
そうだねぇ。苦手だねぇ。
アゲアゲくん
いらないなら捨てていいですよ。
ミドリさん
分かるんだけどさ。軽いトラウマがあって・・。
ミドリさん
小さいころね、お年玉の袋捨てようとしたんだよ。
ミドリさん
でも「ダメだ!」って。
アゲアゲくん
へ?
ミドリさん
父さんがね。「もらったものを捨てるな!」って怒ってきて。
アゲアゲくん
お年玉の袋を?
ミドリさん
うん。「捨てちゃいけないんだ」って強く思ったの。
アゲアゲくん
それから捨てられなくなった?
ミドリさん
うん。年賀状も捨てずにとってたしね。
アゲアゲくん
ずっと?
ミドリさん
実家にまだあると思うよ。
アゲアゲくん
あぁ・・・。
アゲアゲくん
もしかして。
アゲアゲくん
今のこの家にも「嫌な想い出グッズ」あるんじゃないですか?
ミドリさん
あるね・・・。
アゲアゲくん
んー。伯母さんやお父さんのことどう思っていますか?
ミドリさん
・・嫌いだねぇ。
アゲアゲくん
でも捨てられない?
ミドリさん
・・・。
タタタ!(2階からケーイチ降りてくる)
ミドリさん
あ、ケーイチどこいくの?
ケイイチ
・・・。
ガチャ。(ケーイチ玄関から外へ)
ミドリさん
・・・。行っちゃった。掃除もしないね。
ミドリさん
はぁー。
アゲアゲくん
最近、ケーイチ君とうまくいってないですね。
ミドリさん
エナジーさがってくよー。
アゲアゲくん
あのー。
ミドリさん
なに?
アゲアゲくん
モノと心って繋がってるものでして。
ミドリさん
どういうこと?
アゲアゲくん
ミドリさんはお父さんのことが嫌い。
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
お正月に会うのも憂鬱?
ミドリさん
そうだねぇ。
アゲアゲくん
ケーイチ君ともギクシャク中。
ミドリさん
言わないでよー。
アゲアゲくん
自分の親や親戚とね。仲良くする義務はないですよ。
ミドリさん
んー。
アゲアゲくん
嫌いな親戚とは会わない。そんな人は普通にいますからね。
ミドリさん
私が変なのかなー。
アゲアゲくん
インプットされてしまいましたね。
ミドリさん
え?
アゲアゲくん
「モノを捨ててはいけない」というインプットです。
ミドリさん
それは間違いなく。
アゲアゲくん
僕がインプットし直しましょう。
アゲアゲくん
不要なものは捨てていい。
ミドリさん
・・・。
アゲアゲくん
何を捨てるか、何を持つか。
アゲアゲくん
それは自分が決めること。
アゲアゲくん
至って普通の話ですよ。
ミドリさん
んーでも好意でもらったものを捨てるのは悪いような・・・。
アゲアゲくん
悪い子になってもいいんですけどね。
ミドリさん
・・え?
アゲアゲくん
「良い子になりなさい」って教えられてきたでしょ?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
今、その良い子で苦しんでますよね。
ミドリさん
たしかにー!
アゲアゲくん
時には悪い子になってもいいのですよ。
ミドリさん
悪い子になってもいい!?
アゲアゲくん
そう。それが今。
ミドリさん
なんで?
アゲアゲくん
落ちこんでるから。
アゲアゲくん
アゲ親はね。「良い子になりなさい」とは言わないですから。
ミドリさん
なんていうの?
アゲアゲくん
「幸せになってね」と言うか、心に思ってますね。
ミドリさん
あぁ・・。
アゲアゲくん
僕も同じことをミドリさんに言います。
アゲアゲくん
幸せになってください。
アゲアゲくん
「「悪い子になる」時にそれが人を救うことあります!
ミドリさん
あぁ・・。
ミドリさん
私、いっぱいすり込まれてるのかなぁー!?
アゲアゲくん
一つずつ剥がしていきましょう。
ミドリさん
私、変われる?
アゲアゲくん
もちろん!
アゲアゲくん
断言しますけど。
アゲアゲくん
優しいお母さんにも、好かれるお母さんにもなれますからね。
アゲアゲくん
食い込んでいるね。トゲを抜いていきましょう。
ミドリさん
トゲ?
アゲアゲくん
はい。人は辛いことがあると、心にトゲが刺さるのです。
アゲアゲくん
抜けば残るのは優しい心なのですよ。
ミドリさん
私も?
アゲアゲくん
そうそう。
アゲアゲくん
というわけで。
アゲアゲくん
このカバンは捨てちゃいましょう!
ミドリさん
んー。
アゲアゲくん
捨てたって誰も気にしないでしょ?
ミドリさん
それはそうだけど・・。
アゲアゲくん
ほらほらー。捨てちゃえー。
ミドリさん
よし!捨てるか!悪くてもいいや!
アゲアゲくん
OK!悪くないよ!
モノと心の関係
モノと人は違いますが、同じ部分もあります。
毒親がストレス。
親も自分も変えていきたい。
そう思われるのなら、まずモノから変えてみませんか。
「捨てるな」と教えられて、お年玉の袋や年賀状をずっと持っている。
これ実話です。
捨てたいなら捨ててもいい。
何を持つかは自分が決めることです。
年末年始といえば大掃除。
見るだけで気分が下がるモノは捨てたって構わない。
スッキリした新年を迎えられますよ。