第18回 「心」も能力
~幼稚園にて~
ミドリさん
今日は参観に来てみたものの。
ミドリさん
ゆーすけはみんなについてけてないなぁ。
ゆうすけ
キャッキャ♪
ミドリさん
先生の言うこと聞けてないし。
ゆうすけ
キャッキャ♪
ミドリさん
勉強も運動も苦手。
ミドリさん
何かお稽古事やらせた方がいいんだろうか・・・
ミドリさん
ただいまー
アゲアゲくん
おかえりなさい。
ミドリさん
はぁー。
アゲアゲくん
どうしたんですか。ため息ついて。
ミドリさん
「ゆうすけに早期教育やらせた方がいいのかな?」と悩んでいるの。
ミドリさん
勉強でも運動でもいいから、早めに何かやろうかなって。
アゲアゲくん
!な、なぜ?
ミドリさん
「教育は早めにやった方が有利」って言うじゃない。
アゲアゲくん
うわーん!それ本当ですかー!?
ミドリさん
え?どれが??
アゲアゲくん
「早めに勉強した方が有利」と思っているところですよ。
ミドリさん
え?普通そうじゃないの。
アゲアゲくん
うーん、そうかぁ。
アゲアゲくん
アゲ親学レクチャー不足ですね。反省しました。
ミドリさん
私、まだ分かってないの??
アゲアゲくん
いえいえ。 成長というのは必ず「3歩進んで2歩下がる」です。
アゲアゲくん
ミドリさん大分良い感じになっています。
ミドリさん
なるほど。安心した。
アゲアゲくん
人生ワンツーパンチですからねぇ。
ミドリさん
意味分かって言っている?
ミドリさん
早期教育はアゲ親学的には良くないの?
アゲアゲくん
分かりやすく言えば「はい」です。
ミドリさん
なんで?
アゲアゲくん
多くの早期教育はサゲサゲの発想だからです。
ミドリさん
?
アゲアゲくん
おさらいしましょう。
アゲアゲくん
アゲ親学は「心」を重視します。
アゲアゲくん
サゲ親学は「頭脳」を重視します。
ミドリさん
うん。「心のアゲ親学」よね。
アゲアゲくん
うんうん。嬉しいです。
アゲアゲくん
ゆうすけ君何歳でしたっけ?
ミドリさん
4歳。
アゲアゲくん
その年齢なら「心」の勉強時期です。
ミドリさん
心のお勉強?
アゲアゲくん
自分は何が好きで、嫌いで、何に感動するのか。
アゲアゲくん
自由な遊びを通じて、内面を学ぶのです。
ミドリさん
頭脳的な早期教育はダメなの?
アゲアゲくん
学校のプレ段階みたいな勉強はやめておきましょう。
ミドリさん
てことは6歳くらいまでは、遊び中心がいい?
アゲアゲくん
そうです。小学校で学ぶことは小学校で学びましょう。
アゲアゲくん
サゲ親は外見を整えようとします。アゲ親は内面重視です。
ミドリさん
あ、アゲ親学がマイナーなのが分かってきたわ。
アゲアゲくん
マイナーじゃなくて希少価値と言ってください・・・
ミドリさん
一見したら「遊ばせてるだけ」だもんね。アゲ親学。
アゲアゲくん
おっしゃる通りなんです。
アゲアゲくん
「心」は見えないですからねぇ・・・
アゲアゲくん
でも心はあるんですよ!!
ミドリさん
わー!何かでたー!
アゲアゲくん
見えないから「ない」と思ってたら、大間違い!
アゲアゲくん
「心はない」と思っているから、心ない言葉が飛び交う社会になっている!
アゲアゲくん
見えるものだけがホントなんですか?あなたに心はないんですか?いや、あります。あったんです。
ミドリさん
まーまー落ち着いて。
アゲアゲくん
は!失礼しました。
ミドリさん
アナタ、そっち系の話になると何か出るわね。
アゲアゲくん
心のアゲ親学ですから!
アゲアゲくん
そもそもが。
アゲアゲくん
みんなと同じ土俵で勝負しない方がいいですよ?
ミドリさん
?
アゲアゲくん
ある青年の話です。
アゲアゲくん
彼には発達障害がありました。
アゲアゲくん
彼は高校卒業後に地元で有名な製菓会社に入社しました。同期は彼含め3人。
アゲアゲくん
発達障害の彼はアルバイト入社から。他の2名は社員待遇。
アゲアゲくん
5年経って同期2名は辞職しました。彼は正社員になりました。
アゲアゲくん
この差はなんだったと思いますか?
ミドリさん
えー?分かんない。
アゲアゲくん
心の差ですよ。発達障害の彼は、心の能力が高いんです。
アゲアゲくん
「ありがとう」と「ごめんなさい」が素直に言える。
アゲアゲくん
分からないことは「分からない」と素直に言える。
アゲアゲくん
周りの大人が「よっしゃ教えてやろう」と思わせる心を彼は持っていました。
アゲアゲくん
合わせて彼は家族を深く愛していました。
アゲアゲくん
実家にお給料入れることに喜ぶ心を持っていたんですーー!
ミドリさん
いい話ね・・。
アゲアゲくん
彼のお母さんはアゲ親学を熟知されてました。
アゲアゲくん
周りからは「放ったらかし」と思われていたようですが。
ミドリさん
心の能力って何なのかな?
アゲアゲくん
自分にとって大事な物は何かを知っていることです。
アゲアゲくん
知っている子は強いですよ!
これからは心の時代
アゲアゲくん
困ったことに今はサゲサゲの世の中です。
アゲアゲくん
ほとんどの親御さんが、サゲサゲの土俵で勝負されています。
ミドリさん
頭脳勝負・点数勝負ってこと?
アゲアゲくん
そうです。
アゲアゲくん
「周りより上にいきたい」これは人間に備わる欲望です。
ミドリさん
うん・・・。
アゲアゲくん
あ、別に欲望を否定しているわけじゃないですよ。
アゲアゲくん
ぶっちゃけ「お金ほしい」「楽したい」「モテたい」など欲望あるじゃないですか。
アゲアゲくん
それはそれでいいのです。
アゲアゲくん
ただ上に行くのにサゲサゲの土俵でやる必要はないのです。
ミドリさん
アゲアゲでも上に行けるの?
アゲアゲくん
いけますよ。
アゲアゲくん
僕は強制はしませんが。
アゲアゲくん
ミドリさんの価値観から心のアゲ親学が良いと思います。
ミドリさん
えーと、何でかな?
アゲアゲくん
ゆうすけ君を愛しているから。
アゲアゲくん
ぶっちゃけ親孝行されたいでしょ?
ミドリさん
そりゃもちろん。「ありがとう」って言われたいなぁ。
アゲアゲくん
「親孝行したい」と思うのは頭脳じゃないでしょ?。
ミドリさん
あ・・。心で思うものか。
アゲアゲくん
はい。親孝行は感謝の心でするものです。
ミドリさん
!
アゲアゲくん
どうしました?
ミドリさん
今、気づいた。私、自分の親がちょっと苦手なの。
アゲアゲくん
そうなんですか。
ミドリさん
昔から命令ばっかりしてきて。正直あんまり関わりたくない。
ミドリさん
「親孝行したい」って気分にならない。
アゲアゲくん
「心」を大事にされなかったんですね。
ミドリさん
そう・・・だと思う。
アゲアゲくん
思う?
ミドリさん
どうしたの?
アゲアゲくん
いえ、何でもないです。
アゲアゲくん
話戻して。アゲ親学は「心」を知る学術です。
アゲアゲくん
学ぶほどに自他の気持ちが分かるようになります。
アゲアゲくん
これでどうなると思います?
ミドリさん
どうなるの?
アゲアゲくん
人望・人徳を得ます。
アゲアゲくん
才能・個性を発揮出来ます。
アゲアゲくん
会社で一目置かれる存在・才能を生かす仕事に就けるでしょう。
ミドリさん
勉強や数字じゃない能力が身につくのか。
アゲアゲくん
そうですよ。学校では教わらない心の能力です。
アゲアゲくん
今の子どもたちはどんどん頭でっかちになっています。
アゲアゲくん
心で勝負した方がいいんです。ずっと楽。
ミドリさん
みんなサゲサゲだから、アゲアゲで差がつけられるの?
アゲアゲくん
そう思っていただければ。
アゲアゲくん
早期教育に月1万円くらい払いますよね。
ミドリさん
うん。もっとかかる場合もあるよ
アゲアゲくん
「心を学ぶ」なんてお金タダ。しかも効果大。
アゲアゲくん
余ったお金で旅行行くも良し。
アゲアゲくん
貯金して将来の学費に充てたって良いんじゃないですか。
ミドリさん
なるほど。効率的か。
アゲアゲくん
そのうち「わーお!」っていう嬉しい出来事が起こりますよ。
ミドリさん
へ?そうなの?
アゲアゲくん
心を大事にするとね。そうなるんです。
アゲアゲくん
「わーお!びっくり!」がアゲ親学なのです。
ミドリさん
そういうものなのかな・・・
~翌日~
ミドリさん
また先生の言うこと聞けてないなー。
ゆうすけ
キャッキャ♪
ミドリさん
でも、ゆーすけには心があるのよね。
ミドリさん
悪気があるわけじゃない。先生を馬鹿にしてるのでもない。
ミドリさん
ただ遊びが楽しいから。今は宝物探し。そのうち分かる日は来る。
ミドリさん
よし!なーんも考えずに帰ろう!
ミドリさん
ゆーすけ!お家帰るよー!
ゆうすけ
キャッキャ♪
ミドリさん
無視かい・・・
ミドリさん
でも考えない♪
~数日後~
ミドリさん
あー仕事疲れたー。
ゆうすけ
おかえりー。
ミドリさん
ただいまー。ごめんちょっと休ませて・・
ゆうすけ
・・・。
ゆうすけ
ママ
ミドリさん
なにー?
ゆうすけ
困ってたら僕が助けてあげるよ!
ミドリさん
・・・え!・・え!?
ミドリさん
あ、ありがと~~♪
ミドリさん
ゆうすけ大好きだよー♡
ゆうすけ
えへへ♡
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
いいオチだなぁ。
アゲアゲくん
殴られオチじゃないの久しぶりだ・・・
心のアゲ親学
「初めてなんじゃないか?」というくらいハートフルなオチでした。
ハッキリ言えば早期教育は必要ありません。
大事なのは、心を育てることなのです。
カブトムシの幼虫は、自然のままに育てるのが一番といいます。
人間があれこれすると、却って成長しないのです。
心はそれの最たるもの。
心は育っていくと「信念」にまで成長していきます。
信念を持っている人が、成功するのが世の中です。
心を育てるのが最良の早期教育。
手を加えない方が心はよく育つのです。