第63回 心をほぐす

三学期・朝食

ミドリさん
ドキドキ。
ミドリさん
今日は三学期始業式。
ミドリさん
そろそろ起きてくるころだな。
ミドリさん
学校行くかなー。行かないかなー。
ミドリさん
その前に起きてくるんだろうか。
ミドリさん
あ!ちゃんと宿題やったのかな。
ミドリさん
チェック出来てなかったけど・・。
ユイ
おはよー。
ミドリさん
ビク!
ミドリさん
お、おはよー。
ユイ
いただきます。
ミドリさん
どうぞ。
ミドリさん
起きてきたー。
ミドリさん
良かった。助かった。
ミドリさん
昨日のアドバイスが良かったのかな。
ケイイチ
おはよー。
ミサキ
おはよー。
ミドリさん
おはよう。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
よーし!今年はなんとかなるかもー!
ユイ
いってきまーす。
ミドリさん
いってらっしゃい。
ミドリさん
・・。
ミドリさん
はぁー。無事登校してくれたか。
アゲアゲくん
ハラハラしてますね。
ミドリさん
わ!
アゲアゲくん
今日のミドリさん、硬いですよ。
ミドリさん
硬い・・・?
アゲアゲくん
いつも通りの自分だと思ってますか?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
僕の話すのは心のアゲ親学。
アゲアゲくん
何を言うかは大事じゃない。
アゲアゲくん
何を思っているか、なんです。
ミドリさん
私が思ってたことが重要なの?
アゲアゲくん
そういうことです。
アゲアゲくん
今朝は何を思っていましたか。
ミドリさん
「起きてこなかったらどうしよう」
ミドリさん
「学校行かないって言いだしたらどうしよう」
ミドリさん
「宿題やったかな。忘れ物ないかな」
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
我ながらマイナス思考だな・・。
アゲアゲくん
いえいえ。大丈夫です。
ミドリさん
ビクビクしながら子どもたち見てたね。
アゲアゲくん
言葉や仕草が硬くなってました。
ミドリさん
・・・。プレッシャーになっちゃうね。
アゲアゲくん
ミドリさんも疲れるでしょう。
ミドリさん
がーん。もたないね。
ミドリさん
ポジティブシンキング、シンキング・・・。
アゲアゲくん
それも頭使ってないですか?
ミドリさん
がーん!
ミドリさん
もう!意地悪言わないでよー!赤鬼くん!
ミドリさん
心のアゲ親学っていってもさー!
ミドリさん
心なんてコントロールできないよ!?
アゲアゲくん
ほぐしましょう。
ミドリさん
ほぐす?
アゲアゲくん
肩こりと同じ。ほぐすと軽くなります。
ミドリさん
どうやって?
アゲアゲくん
僕とお話ししましょう。
アゲアゲくん
コーヒーでも入れてきます。
ミドリさん
ずず・・。
ミドリさん
私、衝動的にね。
ミドリさん
「なんとかしないと!」と思うんだよね。
アゲアゲくん
なぜ母親がなんとかしないといけないのでしょう。
ミドリさん
そういうものじゃないの?
アゲアゲくん
・・。そういうものじゃないですよ。
ミドリさん
んー。一昨日母さんに会ったからかなぁ。
アゲアゲくん
お母さんなんて言いました?
ミドリさん
「甘やかしちゃダメ」
アゲアゲくん
なるほど・・・。
アゲアゲくん
人ってね。言われたことが頭脳に残ります。
アゲアゲくん
言われたときなんて思いました?
ミドリさん
え?なんだろう。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
あ。
アゲアゲくん
なんでしょう?
ミドリさん
ほっといて。
アゲアゲくん
イヤだったんですね。
ミドリさん
うん。そうだ。
ミドリさん
母さんの顔を見ながらね。「ほっといてよ」って思った!
アゲアゲくん
その場では言えないですよね。
ミドリさん
後からでも言えないよ。
アゲアゲくん
今日の硬さはなんだったんでしょうね。
ミドリさん
・・。分かったよ。
ミドリさん
「この子達をなんとかしないと母さんに怒られる」
ミドリさん
そう思ってたんだ、私。
アゲアゲくん
干渉されたから、干渉しちゃったのでしょうか。
ミドリさん
うん。そう思う。
ミドリさん
なにこれ?母さんのせい??
アゲアゲくん
そう思っていいですよ。
ミドリさん
私は結婚して母になっても、母さんの支配下にいるのか・・・。
アゲアゲくん
気づいたら出られますよ。
ミドリさん
そうなのかな。
アゲアゲくん
雨に気づいたら傘はさせるのですよ。
ミドリさん
干渉に気づけたから?
アゲアゲくん
次は上手に避けられるでしょう。
ミドリさん
そっかー。
ミドリさん
私、ずっと母さんのことで悩み続けるのかな。
アゲアゲくん
いえいえ。そんなことはないです。
ミドリさん
なんで?
アゲアゲくん
ミドリさんが選べるからです。
ミドリさん
なにを?
アゲアゲくん
お母さんとどうするかを。
ミドリさん
選べるの?
アゲアゲくん
選んでいいんですよ。
ミドリさん
そんなこと出来るかなー!?
アゲアゲくん
では待ちましょう。
ミドリさん
なにを?
アゲアゲくん
そのときを。
ミドリさん
はぁ。

お昼

ユイ
ただいまー。
ミドリさん
お帰りー。
ミドリさん
・・。
ミドリさん
心が軽いな。
アゲアゲくん
良い感じですね。
ミドリさん
心がほぐれたのかな。
アゲアゲくん
はい。
アゲアゲくん
心地良いでしょ?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
子どもたちに優しくなれますよ。
ミドリさん
うん。出来る気がする。
アゲアゲくん
おぉ。スゴい。
ミドリさん
・・。私とは思えない前向き発言だったね(笑)
アゲアゲくん
アゲ親への階段、登ってますよ。
ミドリさん
ハラハラの毎日だけどね。