第49回 冬休みの宿題

中学校・懇談中

ミドリさん
はい。分かりました。
先生
これ冬休みの宿題です。
先生
しっかりやっておくようお伝えください
ミドリさん
はい・・。
先生
三年になれば受験ですから。せめてお家では勉強しないと。
ミドリさん
・・。はい。そうですよね。
先生
3学期はせめて3日に一度は通えるようにしましょう。
ミドリさん
はぁ・・。伝えます。失礼します。

ガラガラッ(教室ドアを開けてでていく)

ミドリさん
せめて・・かぁ。

帰宅

ミドリさん
ただいまー。
アゲアゲくん
暗い夜道はアゲアゲのー♪アゲ親学が役に立つのさー♪
アゲアゲくん
真っ赤なカラダのアゲアゲくんはー♪
アゲアゲくん
今宵こそはとー♪よろこびましたー♪
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
横になろう。つかれた。
アゲアゲくん
 あ!ミドリさんお帰りなさい!
アゲアゲくん
クリスマスですね!クリスマス!
ミドリさん
それがなに?
アゲアゲくん
クリスマスといえばチキン!
アゲアゲくん
チキンといえば?
ミドリさん
ケンタ・・。あ、そういうことか。
アゲアゲくん
そう!年に一度の唐揚げ祭り!それがクリスマス!
ミドリさん
違うと思うけど。
アゲアゲくん
それなのに!
アゲアゲくん
なぜミドリさんはそんな憂鬱なのですかー!?
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
はぁー。そうだねぇ。
アゲアゲくん
話聞きますよ!
ミドリさん
ありがとう。
ミドリさん
学校で懇談あったの。
ミドリさん
ユイ(中1)が学校行けてないじゃない?
ミドリさん
先生に「せめてお家では勉強しないと」って言われた・・・。
アゲアゲくん
「せめて」ですか。
ミドリさん
うん。意味深にねぇ。
アゲアゲくん
それで元気がないんですね。
ミドリさん
宿題も大量にもらっちゃったよ。
ミドリさん
ほら。
アゲアゲくん
どっさりですねぇ。
アゲアゲくん
「学校休んでいることで楽してる」
アゲアゲくん
先生はそう思っているんでしょうね。
ミドリさん
・・そんなわけないのにね。
アゲアゲくん
エナジー下がったでしょ?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
「理解してくれない」って下がりますからね。
アゲアゲくん
休んでいる子は苦しいのです。
アゲアゲくん
風邪引いたら「お大事に」という。
アゲアゲくん
不登校では「頑張れ」という。
アゲアゲくん
カラダの不調は気遣って、心の不調は「頑張れ」という。
アゲアゲくん
この違いが僕には解せないのです!
ミドリさん
そ、そうだよね!
アゲアゲくん
見守るミドリさんも辛いでしょ?
ミドリさん
うん。毎日悩んでいるよ。
アゲアゲくん
「子どもを遊ばせている親だ」
アゲアゲくん
それをロコツに感じさせる先生ですね。
ミドリさん
そうなんだよ!もうホントまいっちゃうー!
ミドリさん
この宿題どうしよう?
アゲアゲくん
もらったときどう思いました?
ミドリさん
気持ちがどよーんとしたよ。
アゲアゲくん
じゃあ無視していいですよ。
ミドリさん
そうなのかな??いいのかな?
アゲアゲくん
やってもいいし、やらなくてもいいのですよ。
ミドリさん
ユイには渡してもいい?
アゲアゲくん
渡したい?
ミドリさん
そうだね。渡すだけはしておいた方がいいかな。
アゲアゲくん
では、何も言わずに渡せばいいですよ。
ミドリさん
そっか。
アゲアゲくん
先生は不登校のマイナス部分しか観てないですからね。
ミドリさん
・・プラスがあるの?
アゲアゲくん
はい。物事には表裏があるのですよ。
ミドリさん
裏側を知りたいなぁ・・・。
アゲアゲくん
ユイちゃん今、裏側を学び中ですから。
ミドリさん
「不登校も意味があった」と思えるのかな。
アゲアゲくん
もちろん!
アゲアゲくん
「みんなと違う道を歩むことで見えるものがある」
アゲアゲくん
色んな人が言ってるじゃないですか。
ミドリさん
「あの時期があったからこそ今がある」だよね?
アゲアゲくん
そうなのです。

 

 

心ない言葉

「気持ちを理解してくれない」

こう思うと気分が、下がります。

 

不登校でやってはいけないのは、気分を下げることです。

 

病人に「健康にいいから外で運動しておいで」というのは無茶です。

不登校になった子に「役立つから勉強しよう」というのも無茶です。

 

不登校になると心ない言葉を言う人がいます。

「正論」というやつですね。

 

学校の言うことが全てではありませんので。

もっともそうな正論にもどこか矛盾はあるものですよ。

 

今の辛さ、息苦しさは無意味なんかじゃないです。

冬休み、ゴロ寝して楽しんでも大丈夫ですから。

 

楽しい冬休みをお過ごしください。