第37回 中学生はたいへん

商店街

ミドリさん
12月はクリスマスムード一色ねー。
アゲアゲくん
やたら赤い服のオジサングッズみますねー。
ミドリさん
それがクリスマスなのよ。
アゲアゲくん
へー!
ミドリさん
わ!みて!あの子、タバコ吸ってるわ。
ミドリさん
未成年・・中学生くらいよね。
アゲアゲくん
タバコは20歳になってから?
ミドリさん
そうね。
ミドリさん
ウチのケーイチ(中3)も心配だなぁ。
アゲアゲくん
反抗期ですか?
ミドリさん
うん。何考えているか分からないなぁ。
ミドリさん
まぁ、タバコ吸ったりはしないけどね。

 

帰宅

ミドリさん
ただいまー。
ミドリさん
吸ってるー!!
ケイイチ
わ!やべ!
アゲアゲくん
あっはっは。
ミドリさん
何やってんの!!
ケイイチ
いや、これ初めてだって!
ミドリさん
そういう問題じゃない!!
アゲアゲくん
あっはっは。
ミドリさん
今年受験でしょ?分かってんの!?
ケイイチ
もちろん!ゴメン。
アゲアゲくん
あっはっは。
ミドリさん
笑うなー!
アゲアゲくん
あっはー!

その日の夜

ミドリさん
まさか、ケーイチがタバコとは。
アゲアゲくん
成長してますねー。
ミドリさん
はぁ?
アゲアゲくん
メイクに興味もつ女の子と同じですよ!
ミドリさん
そうなのかなぁ。
アゲアゲくん
男の子はワルに憧れる時期です。
ミドリさん
んーでもダメでしょ。
アゲアゲくん
まぁタバコは理解しがたいか。
ミドリさん
うん。何考えているか、ますます分かんないよ。
アゲアゲくん
喜んでもいいとこですよ。
ミドリさん
は?意味分かんないですけど。
アゲアゲくん
反抗してこそ一人前です!
ミドリさん
やるべきことやって一人前なんじゃないの?
アゲアゲくん
アゲアゲレッスン!
ミドリさん
ここがポイントか!
アゲアゲくん
中学生になると、あらゆる面で抑えがききません。
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
「今まで順調だったのに、中学生になってから荒れてきた」
アゲアゲくん
よくある話、ともいえますね。
ミドリさん
そうなの?
アゲアゲくん
どの家でも大体そうですよ。
ミドリさん
じゃあ何が結果を分けるのかな。
アゲアゲくん
僕のアゲ親になる方法「アゲ親学
アゲアゲくん
大事なことはいつも一緒。
アゲアゲくん
世の中にはアゲ親サゲ親がいます。
アゲアゲくん
アゲ親は嬉しさマインドを持っています。
アゲアゲくん
サゲ親は正しさマインドを持っています。
ミドリさん
アゲ親は「嬉しい」を基準に考える。
ミドリさん
サゲ親は「正しい」を頭の中に考えている、よね?
アゲアゲくん
その通り!
アゲアゲくん
中学生は山場と言えるでしょう。
アゲアゲくん
くれぐれも「正しさマインド」で子どもをみないことです。
アゲアゲくん
「反抗こそ一人前!」と思ってもいいんですよ。
ミドリさん
えぇ?
アゲアゲくん
ミドリさんは中学のころどんな子でした?
ミドリさん
優等生だったよ。
アゲアゲくん
なるほど。タバコ吸う気持ちは分からないかもしれないですね。
ミドリさん
そうかもね。
アゲアゲくん
中学生の背景を説明しましょう。
アゲアゲくん
中学校は「正しさの総本山」です。つまりサゲサゲ。
アゲアゲくん
分かれ道は二つ。
アゲアゲくん
親もルールを教えるか。それとも「反抗も上等」と受けとめるか。
ミドリさん
学校みたいにしなくていいの?
アゲアゲくん
まーったく問題ないですよ!
アゲアゲくん
ココ大事ですね!
アゲアゲくん
今日、ケーイチ君がタバコを吸っていました。
アゲアゲくん
ミドリさん的にどうですか?
アゲアゲくん
ケーイチ君と不和になっても、やめさせたいですか?
ミドリさん
不和ってどういうこと?
アゲアゲくん
喧嘩状態です。
ミドリさん
えー喧嘩はしたくないなぁ。
アゲアゲくん
ならば!
アゲアゲくん
「喫煙関連で喧嘩はしない!」とまず決めておきましょう!
ミドリさん
いやいやいや。それダメなんじゃないの?
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
なんで?
ミドリさん
な、なんでって親ならやめさせて当然じゃないの?責任とかさ!
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
何の責任?
ミドリさん
親の責任だよ!
アゲアゲくん
親の責任は最高の子ども時代を過ごさせることですよ。
ミドリさん
だから!喫煙はアウトじゃないの!
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
ほえ?
ミドリさん
・・・ガクッ
ミドリさん
えーとさ!
アゲアゲくん
すみません、すみません。大体分かってきました。
アゲアゲくん
怒りたくないのに、怒るって辛くないですか?
ミドリさん
辛いよ!でもやらなくちゃ!
アゲアゲくん
やらなくていいんですよ。
ミドリさん
へ?
アゲアゲくん
定義の違いですね。
アゲアゲくん
最高の子ども時代というのは、ルールに従って完璧になることじゃない!
アゲアゲくん
「嬉しい」と感じることがどれだけあったか、です。
アゲアゲくん
タバコの問題でいえば。
アゲアゲくん
サゲ親ほどルールなど「正しい」を基準に考えます。
ミドリさん
アゲ親は?
アゲアゲくん
吸ったときの気持ちを想像していますね。
ミドリさん
はぁ?
アゲアゲくん
大人になった気分だろうか。友達にかっこつけてるのか。
アゲアゲくん
そんなことを思い浮かべています。
ミドリさん
そ、そんな親がいるのか・・。
アゲアゲくん
アゲ親は決していい加減ではないですからね。
アゲアゲくん
アゲ親は正しさにこだわりがないんですね。
ミドリさん
それで大丈夫なのかな?
アゲアゲくん
アゲ親は真面目な子を「大丈夫かな?」と心配の目でみていますよ。
ミドリさん
ええー!!
ミドリさん
まったくの正反対なんだね。
アゲアゲくん
やんちゃな子に対しては逆になりますね。
ミドリさん
やんちゃを褒めるの?
アゲアゲくん
やんちゃをすぐには否定しないのです。
アゲアゲくん
やんちゃを笑いますね。
ミドリさん
それでいいの?
アゲアゲくん
全く問題ない!
アゲアゲくん
子どもから言えばね。正しさって人工物なんです。
アゲアゲくん
嬉しさは自然物と捉えましょう!
ミドリさん
アゲアゲくん
魚で比べてみてください。
ミドリさん
わ!
アゲアゲくん
添加物いっぱいで養殖のお魚。
アゲアゲくん
天然で漁師さんが釣ってきたお魚。
アゲアゲくん
どっちを口にしたいですか?
ミドリさん
天然がいいわ。
アゲアゲくん
ですよね。
アゲアゲくん
子どもも一緒。人工物は生理的に受け付けない。
アゲアゲくん
正しさとはプラスチックと一緒。
ミドリさん
人が作ったもの?
アゲアゲくん
はい。
アゲアゲくん
ルールや規則、法律は人工物ですよ。
ミドリさん
あぁ、確かにね。
アゲアゲくん
「プラスチック食べなさい」と言われたら抵抗するでしょ?
ミドリさん
そりゃするね。
アゲアゲくん
強調します。
アゲアゲくん
感情に従うことは自然なんです。
アゲアゲくん
ルールに従うのは不自然なんです。
アゲアゲくん
子どもだけじゃない!ミドリさんも同じなので気をつけてください。
ミドリさん
・・・。考えたこともなかったなぁ。
アゲアゲくん
僕たちアゲ者からすれば当然。
アゲアゲくん
アゲ親・子どもも僕たちと同じ感性を持っていますよ。
ミドリさん
えっと、サゲサゲは大人の象徴。
ミドリさん
アゲアゲは子どもの象徴だっけ?

アゲアゲくん
はい!子どもの気持ちを知りたければ僕にお任せ!
ミドリさん
子どもの代弁者か。
アゲアゲくん
どーでもいいですけど。
アゲアゲくん
「子ども丸出し」って悪口でしょ。
アゲアゲくん
「大人丸出し」って言葉すらない。
アゲアゲくん
僕はこの差に多いに不満なのです!
ミドリさん
どうでもいいね。
アゲアゲくん
ですね!
アゲアゲくん
「ルールは大人の作った人工物だ」
アゲアゲくん
そう思えば、子どもたちが拒否する気持ちも分かりませんか?
ミドリさん
生理的に受け付けないのは当たり前か・・・。
ミドリさん
そのうち分かるようになるの?
アゲアゲくん
そうですね。
ミドリさん
・・。んー私が不自然なのかなぁ??
アゲアゲくん
そう思うことも出来るんです!
ミドリさん
アゲ親とサゲ親。
ミドリさん
まーったく別の世界があるんだね!
アゲアゲくん
はい!
ミドリさん
ケーイチのタバコ、どう言ったらいいかな?
アゲアゲくん
まず「タバコの件で怒鳴りたくない!」そう思っているんですね?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
なら「怒らない」は絶対条件です!
アゲアゲくん
典型的なアゲ親とサゲ親で話しましょう。
アゲアゲくん
アゲ親は嬉しさマインド。
アゲアゲくん
ケーイチ君は中学生で、受験前。希望のS高校ではバスケがしたい。
ミドリさん
うん、そのために頑張っているはず。
アゲアゲくん
アゲ親はこう言います。
アゲアゲくん
「アナタはS高行きたいんでしょ。そのためにタバコは必要なの?」
ミドリさん
なるほど!いいね!
アゲアゲくん
サゲ親はこういうでしょう。
アゲアゲくん
「受験生がタバコなんて何考えてるの!」
ミドリさん
サゲ親は「間違ってるからやめなさい」と言うのね。
アゲアゲくん
はい。「嬉しさ」か「正しさ」かです。
ミドリさん
さっきの私は正しさだったなぁ。
アゲアゲくん
気付いたのなら、直しましょう。
ミドリさん
そだね。前向きだね。
ミドリさん
人工物に拒否するのは子どもにとって自然・・・。
ミドリさん
ケーイチ、タバコだけどさ!
ケイイチ
あ、えっと。
ミドリさん
興味湧くのは仕方ない。でも、一番やりたいことは何?
ケイイチ
えーっと、ごめん。バスケ。
ミドリさん
分かってるわね。安心した。
ケイイチ
ケイイチ
間違ってたな、オレ。
ミドリさん
私、どうだった?
アゲアゲくん
完璧ですー!!
ミドリさん
よかった・・・。

 

自然体でいたい

子どもにとってルールは不自然に感じる。

このニュアンス分かっていただけましたでしょうか。

 

お金やモノに振り回されてはいけない、といいます。

同じように正しさにも振り回されてはいけないのです。

 

学校は「正しさ」に目を奪われています。

「目奪われると荒れる」を学校現場の疲弊から学び取れるのではないでしょうか。

 

正しさは必要ですが、飲み過ぎると毒と化します。

飲み過ぎないようお気をつけください。