第25回 A.G.E!

~中学校~

ミドリさん
はい。ではそれで。
先生
では受験はN高校ということで。
ミドリさん
お願いします。ほらケーイチも!
ケイイチ
・・・。お願いします。
ミドリさん
・・・?

~帰り道~

ミドリさん
ねぇ?何か悩んでいるの?
ケイイチ
別に・・・。
ミドリさん
言いたいことあるならいってごらんよ。
ケイイチ
・・・。
ケイイチ
 ・・・。オレ、S高校へ行きたい。
ミドリさん
え!?なんで!?
ケイイチ
バスケしたいんだ・・。
ミドリさん
N高校にもバスケ部あるじゃない??
ケイイチ
レベルの高いとこでやりたいんだよ。
ミドリさん
そう・・・。
ケイイチ
ごめん。やっぱいいよ。
ミドリさん
え!?
ケイイチ
友達と遊んでくる。
ミドリさん
あ!まって!
ミドリさん
・・・。行っちゃった
ミドリさん
し、しまったー!!
ミドリさん
アゲアゲくんに相談しよう!

~ミドリさん宅~

ミドリさん
ただいまー。アゲアゲくんいるー?
アゲアゲくん
A.G.E!
ミドリさん
!?
ミドリさん
お、踊ってる・・・。YouTubeね
ミドリさん
話したいけど・・・終わるまで待つか。
アゲアゲくん
A.G.E!
アゲアゲくん
数百年で人間界!だいぶ変化したようだ!♪
アゲアゲくん
だけれど僕のアゲ親学!みんなアゲアゲになれるのさ!♪
アゲアゲくん
C’mon,baby!アゲアゲ!
アゲアゲくん
ドリームの見方をinspired!♪
アゲアゲくん
C’mon,baby!アゲアゲ!
アゲアゲくん
アガっていくージパングがー♪
ミドリさん
・・・。終わったわね。
アゲアゲくん
ホントこの「A.G.E」は名曲だなぁ。めざせ紅白!
アゲアゲくん
さぁ、もう一回やるか。
ミドリさん
ちょ、ちょっとまってー!リピートするとは!
アゲアゲくん
あ!ミドリさんお帰りなさい。
ミドリさん
ただいま。さっきから帰ってたけど
アゲアゲくん
人間はスゴいですね。こんな曲を作れるとは。
ミドリさん
「A.G.E」だったっけ?この曲。怒られるよ・・
アゲアゲくん
自分流にアレンジが楽しいんですよっ。A.G.E!
ミドリさん
そ、そう。
ミドリさん
ナルシストなのかな・・・
アゲアゲくん
もう一回やろーっと。
ミドリさん
え!え!ちょっとゴメン!
アゲアゲくん
あ!一緒に踊りますか?
ミドリさん
そ、そうじゃなくて!話したいことがあるの!
アゲアゲくん
はい。何でしょう?
ミドリさん
というわけでやってしまいました。
アゲアゲくん
なるほどねー。
アゲアゲくん
ミドリさんはS高校へ行かせたくない?
ミドリさん
うーん、反対かな。
アゲアゲくん
なぜでしょう?
ミドリさん
バスケしたいのは分かるけどさ。ケーイチ・・・上手じゃないんだよ。
アゲアゲくん
ふむふむ。
ミドリさん
この前はレギュラー外されたっていうし。公立中学で補欠なのに強豪校行ったってさ・・。
アゲアゲくん
ケーイチ君は、もっとうまくなりたいから、強豪校へ行きたいのかもしれないですね。
ミドリさん
うー。
アゲアゲくん
まだ不安あるんですね。
ミドリさん
ぶっちゃけ言うよ!S高校って私立なの!学費高いし、バスケやって将来プロになれるわけでもない。
アゲアゲくん
・・・。
ミドリさん
「S高校行って意味あるの?」って正直思っちゃったんだー!
アゲアゲくん
・・・。
ミドリさん
でも多分そういうことじゃないんだよね!
ミドリさん
私さ、今まで母の言う通りに生きてきたからさ!こういうの分かんないんだよー!
ミドリさん
でもでも私の言うことも正しくない??変かな??
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
何といいますか・・・。
アゲアゲくん
人間ってお金のことばっかり考えてるんです。僕からみたら。
ミドリさん
え!?仕方ないよ。お金がないと生きていけない。
アゲアゲくん
お金のことばかり考えてたら、世の中がお金に見えちゃうんです。
ミドリさん
・・・
アゲアゲくん
ミドリさんの悩みの原因もそこですね。
アゲアゲくん
進学や将来をお金で見ていますよね。
ミドリさん
・・そうなのかも。
アゲアゲくん
今、世界はお金でまわっています。そうなるのも必然です。
アゲアゲくん
ただ世界がお金に見えたら、サゲ親になっちゃいます。
ミドリさん
どう見えればいいの?
アゲアゲくん
夢や希望を沢山思うこと。世界がアゲアゲに見えてきます。
ミドリさん
そんな、お気楽極楽になれないわよ。
アゲアゲくん
いや違いますよ。
アゲアゲくん
今の世の中、サゲサゲ全盛って言いましたよね。
ミドリさん
えぇ。何回も聞いたわ。
アゲアゲくん
お金のことで頭いっぱいになると人はサゲサゲになっていくんです。自動的に
ミドリさん
え?
アゲアゲくん
お金持ちでも貧乏人でも一緒。
アゲアゲくん
サゲサゲスパイラルへゴールイン!です。
ミドリさん
そんなこと教わらなかったよ
アゲアゲくん
学校は基本サゲ親学ですからね。数字で評価してくるでしょ。
アゲアゲくん
ミドリさんたちは世界観を植え付けられているんです。
アゲアゲくん
お金のことばかり考えると何も出来なくなっちゃいますから。気をつけて!
ミドリさん
それって私のこと?
アゲアゲくん
みんな含めてのことですよ。
アゲアゲくん
アゲアゲなことばかり考えてたら、世界はちゃんとアゲアゲに見えますよ。
ミドリさん
アゲアゲくん
サゲ親アゲ親では見えている世界が違うのです。
ミドリさん
それってつまり・・・?
アゲアゲくん
例えばね、悪い人は悪いこと考えて世界が悪く見えているんです。
アゲアゲくん
そして本当に悪い事が起こります。怖いですね
アゲアゲくん
善い人は善いこと考えて世界が善く見えているんです。
アゲアゲくん
そして本当に善いことが起こります。ステキですね
ミドリさん
私はどうなんだろう??
アゲアゲくん
ミドリさんが普段考えていることが、ミドリさんの世界ですよ。
アゲアゲくん
 四六時中、魚のことばかり考えてみてください。だんだん世界は魚に見えてきます。
ミドリさん
四六時中、魚のことなんて考えられないわよ。
アゲアゲくん
だから世界は魚に見えないのです。
ミドリさん
・・あ。
アゲアゲくん
  ずっと、どら焼きのことを考えてたら世界はどら焼きにみえますよ。
ミドリさん
あ、ちょっと分かってきた・・・
アゲアゲくん
正義ばかり考えている人は、世界が正義に思えてきます。
アゲアゲくん
規則ばかり考えていると世界が規則に思えてきます。
アゲアゲくん
学校の先生はこれですね。
ミドリさん
ケーイチの担任がそうだわ。校則守れってうるさいもん。
アゲアゲくん
最近は規則や正義が増えてきていますね。
アゲアゲくん
多くの人はお金が世界を作っていると思っています。
ミドリさん
でもそうじゃないの??
アゲアゲくん
お金の部分あるのは間違いないです。資本主義だし。
アゲアゲくん
ただ世界観なんです。世界がお金に見えると、人もお金に換算します。
ミドリさん
げ!
アゲアゲくん
上司にペコペコして、部下に厳しい上司。搾取するだけの企業、職場。
アゲアゲくん
年収だけを気にする恋愛、結婚も同じ。世界がお金に見えています
アゲアゲくん
ここまでいくとやり過ぎです。
ミドリさん
それは分かるな。
アゲアゲくん
最も大事なことは見えないんです。
アゲアゲくん
見えないものを意識すること!子育ても仕事も同じ。必ず良い方向へ向かいます。
ミドリさん
何なのそれは??
アゲアゲくん
ですね。
アゲアゲくん
正義も規則もお金もがあるとうまくいきます。
アゲアゲくん
愛のない正義は破たんします。愛のない規則は縛るだけ。
アゲアゲくん
お金持ちも、普段から愛を考えて生きているものですよ。
ミドリさん
え?
アゲアゲくん
どうやったら喜ぶだろう。どうやったらみんなを幸せに出来るだろう。利他を沢山考えている。
アゲアゲくん
人は愛(利他)にお金を払うのです。世界が愛に見えると人は出世するのです。
ミドリさん
自己利益ばっかりのお金持ちもいるよね??
アゲアゲくん
はい。ただそういう人はやがて廃れていきます。
アゲアゲくん
持続的にお金や人望集める人は世界が愛に見えているんです。
ミドリさん
うーん。私はまだそう思えてないかなぁ
ミドリさん
ケーイチの世界はどうなってるのかな!?
アゲアゲくん
お金じゃないのは間違いなさそうですよね。
ミドリさん
うん。就職とか年収とか気にしてないと思う。
ミドリさん
世界がバスケに見えているのかな??
アゲアゲくん
半分正解だと思います。
ミドリさん
??
アゲアゲくん
 ケーイチ君の世界は「夢」ですね。
ミドリさん
「夢いっぱいの子ども」ってことかな。
アゲアゲくん
簡単に言えばそうですね。
アゲアゲくん
ただ大事なのは。
アゲアゲくん
夢と愛は親戚なのです。
ミドリさん
どういうこと?
アゲアゲくん
夢も愛も心でやるもの。見えない。
アゲアゲくん
夢に向かって生きるとお金や人望が集まってきますよ。
ミドリさん
うーん。
アゲアゲくん
僕はケーイチ君のバスケ良いと思いますよ。
ミドリさん
そりゃアゲアゲくんはさー。
アゲアゲくん
 夢いっぱいの世界にいたら、やがて愛の世界になっていくものなんですよ。
って話だけでは難しいかな・・・。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
あ!
アゲアゲくん
・・?
ミドリさん
ちょっと話変わってもいい?
ミドリさん
私の母さんってさ。世間体をすっごく気にするんだ。
ミドリさん
母さんの世界はどうなってるのかな?
アゲアゲくん
アゲアゲな世界ではないでしょうね。
ミドリさん
私のことを世間体で見てたのかな・・。
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
ミドリさんはどんなお母さんでいたいですか?
ミドリさん
私は、優しい母でいたい。子どもと仲良くしたい。
アゲアゲくん
では優しいこと、愉快なコトを沢山考えましょう。ミドリさんステキ
ミドリさん
んーでも難しそうだなー。
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
よし!
アゲアゲくん
良い方法があります。
ミドリさん
なに?
アゲアゲくん
「A.G.E」踊りましょう。
ミドリさん
な、なんで!?
アゲアゲくん
ケーイチ君の世界が分かりますよ。
ミドリさん
ホント?で、でもー
アゲアゲくん
??
ミドリさん
恥ずかしいというかなんというか・・・
ミドリさん
「C’mon,baby!アゲアゲ!」をやるんでしょ?
ミドリさん
越えてはならない一線な気がするわ・・・人として
アゲアゲくん
この前「崖の上のアゲアゲくん」を歌ったじゃないですか?アーゲアゲアゲ♪アゲアゲくん♪
ミドリさん
あ、あれはさー。サービスだって!※第23回参照
アゲアゲくん
・・・。しかたない。
アゲアゲくん
アゲアゲチェェェェック!!
ミドリさん
わー!ごめんなさい!
アゲアゲくん
ミドリさんは一体何がしたいのですか。
ミドリさん
う。
アゲアゲくん
恥ずかしいとか意味がないとかばかり。
アゲアゲくん
人はめんどくさがりです。変わりたいくせに努力をしたがらない。
アゲアゲくん
何かを捨てないと何も得られない!
アゲアゲくん
ミドリさん。想像してください。
アゲアゲくん
誕生日!「お母さんおめでとう」と書いた手紙と花束をもらっているアナタを!
ミドリさん
あぁ!
アゲアゲくん
母の日にカーネーションを受け取るアナタを!まだもらったことないんでしょ?
ミドリさん
なぜそれを!?
アゲアゲくん
大人になったユイちゃんと腕組んでイオンモールで服屋さん巡りしてるアナタを!
ミドリさん
ステキ!
アゲアゲくん
ケーイチ君の結婚式で大泣きするアナタを!
ミドリさん
「ありがとう」って言われたいー!
アゲアゲくん
おばあちゃんになって孫達と一緒に温泉旅行に行っているアナタをー!!
ミドリさん
私、カワイイおばあちゃんになりたいのー!
ミドリさん
そうか!恥ずかしいなんてどうでもいいんだ!
アゲアゲくん
今までどれだけの子育て教材を買い、セラピーへ通い、時間を費やしたのか思い出してください!
ミドリさん
そうだ!今度こそ、私は優しいお母さんになるんだ!
ミドリさん
分かった!やるよ!コーチ!
アゲアゲくん
OK!

~特訓中~

アゲアゲくん
C’mon,baby!アゲアゲ!
アゲアゲくん
ドリームの見方をinspired!♪
アゲアゲくん
C’mon,baby!アゲアゲ!
アゲアゲくん
手のフリ小さい!
ミドリさん
はい!
ユイ
か、母さん何してるの?ただいま。
ミドリさん
あ!えっと、運動不足!ダイエット!!
アゲアゲくん
優しい母親になるために特訓中なのですよっ!C’mon,baby!アゲアゲ!
ミドリさん
コラ!アゲアゲくん!言うな!
ユイ
・・・。え?
優しい母になるための特訓が踊り?
大丈夫かな。まぁいいか。
アゲアゲくん
ユイちゃんもやりますか!?A.G.E!
ユイ
いや、私はいいよ。
ユイ
越えてはならない一線の気がするから・・・
ミドリさん
やっぱりー!?
ユイ
アゲアゲくん来てから母さん変わったな・・バカっぽくなった
ユイ
でも最近優しいのよね

~1時間後~

アゲアゲくん
いやーかなり良くなってきましたね。
ミドリさん
一線を越えてしまったかしら・・・。
アゲアゲくん
では、そろそろご飯にしましょう。
ミドリさん
えぇ!終わり!?
アゲアゲくん
もっとやりたい?
ミドリさん
違う!
ミドリさん
 踊って終わりなの!?
ミドリさん
このあと「世界が・・」とか解説は?いつものパターン!
アゲアゲくん
別に・・
ミドリさん
うぉい!
アゲアゲくん
今世界はどうみえますか?お腹空いただけ。冗談ですよ
ミドリさん
こんなのでいいんだろうかっていう疑問だわ。
アゲアゲくん
踊っているときなんて考えてました?
ミドリさん
恥ずかしい。
ミドリさん
優しいお母さんになるんだ!
ミドリさん
アゲアゲくんはナルシストだ。
アゲアゲくん
正直踊ったところで優しいお母さんになれません。
ミドリさん
赤妖怪がー!
アゲアゲくん
わー
アゲアゲくん
イタタ。ミドリさんにとっての「A.G.E」を見つけてほしいのです。
ミドリさん
アゲアゲくん
「ケーイチ君の世界を分かろう」と考えてもムリなのです。頭脳じゃない!
アゲアゲくん
心で思うことなのです。ミドリさんの好きなもの、好きなこと、夢中になれるもの、憧れや嬉しかった出来事。
アゲアゲくん
アゲアゲポイントを見つけるきっかけに、と踊ってもらいました。
ミドリさん
私がアゲアゲになれるものがある??
アゲアゲくん
必ずあります!
アゲアゲくん
探しましょう!大事なのは探し続けること、です。
ミドリさん
そう!私、続かないの!どうやれば続くのかな?
アゲアゲくん
失敗を失敗と思わない。
アゲアゲくん
「A.G.E」やったことを失敗と思っているでしょ?
ミドリさん
とても。
アゲアゲくん
失敗と思ったらやめてしまうんです。
アゲアゲくん
違うんです。失敗とは「これじゃない」が分かった正解なんですよ。
ミドリさん
あ・・!
アゲアゲくん
学校教育の影響で正解主義が覆っています。
アゲアゲくん
多くの人が「〇か×か」の世界で生きています。
アゲアゲくん
「これは失敗だ」そう思うとやらない。「何もしないでおこう」「みんなと同じことをしよう」そんな選択肢を選ぶんです。
アゲアゲくん
しかぁっし!
アゲアゲくん
失敗はいつかの成功へと続いています!
アゲアゲくん
失敗した自分を否定しない!失敗した子どもを否定しない!
アゲアゲくん
アゲ親ほど「失敗は成功の元」が分かっています。
ミドリさん
うん。そうかも。
アゲアゲくん
「A.G.E」は全部イヤでした?
ミドリさん
楽しかった部分もあるよ
アゲアゲくん
どこですか?
ミドリさん
頭の中で歌ってたの。だんだん本気になってた。
アゲアゲくん
スッキリした?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
じゃあそれが分かったんです。
アゲアゲくん
「歌」はミドリさんの中で大事なことかもしれないですね。
ミドリさん
歌か・・・最近聴いてないなぁ。
アゲアゲくん
昔好きだった歌は?
ミドリさん
えー流行のばっか。普通にJ-popだよ。
アゲアゲくん
久々に聴いてみては?
ミドリさん
うーん、なるほど。
ユイ
母さん、ご飯まだー?
ミドリさん
あ!いけない!すぐ準備するね!

 

~翌日~

ミドリさん
歌かー。私何が好きだったのかな。
ミドリさん
流行っていう基準で聴いてたからなぁ。あゆとか。
ミドリさん
あ!歌といえばカラオケ屋!スゴいタイミング
ミドリさん
「一人カラオケ」って流行ってるのよね
ミドリさん
なんでだろう。楽しいのかな。
ミドリさん
よし!やってみよう!アゲアゲポイント探すんだ!
ミドリさん
一人で歌うって楽しい!恥ずかしくない!
ミドリさん
次、なに歌おっかなー
ミドリさん
あ、YUKIだ。なつかしー。
ミドリさん
そういえば私、好きだったんだよね。よし歌おう!
ミドリさん
・・!あー!!♪
ミドリさん
アゲアゲくん!アゲアゲくん!
アゲアゲくん
はーい。
ミドリさん
私ね!YUKIが好きだったの!
アゲアゲくん
!?
ミドリさん
えっと、どこから話そうかな・・。
ミドリさん
なんかね!世界が変わってみえた!
アゲアゲくん
おぉ!!
ミドリさん
さっき、一人カラオケ行ってたの!
ミドリさん
曲探してたらさ!「あ、昔YUKI好きだったなー」って!歌ってみたの!
ミドリさん
思い出したんだ!私は「シンガーソングライター」って生き方に憧れてた!
ミドリさん
小さい頃は縮こまってたからさ。YUKIの曲聴いて「同じ女の子なのに、こんな生き方も出来るんだ」ってそう思った!
ミドリさん
私も「自分を表現したい」って思ってたんだ!
ミドリさん
初めてCD買ったのもYUKI!思い出したよー♪
アゲアゲくん
素晴らしいですね!♪
ミドリさん
なんかね、今、世界がパァーって明るくなってるよ!
アゲアゲくん
そう!それが自分の世界観ですよっ! 
アゲアゲくん
次第に挑戦したくなったり、ハートが熱くなってきます!
ミドリさん
それ!今、気持ちが熱い!
アゲアゲくん
!!!
アゲアゲくん
その気持ちがアゲアゲです!!
ミドリさん
アゲアゲくん
同じ気持ちを今、ケーイチ君は持っているんです!
ミドリさん
!!!
ミドリさん
分かった!分かったよ!理屈じゃないんだよね!ただやってみたい。このままでは終われないんだよね!
アゲアゲくん
そうです!それが子どもの世界観!アゲアゲの世界です!
ミドリさん
ありがとう!私、初めてケーイチの気持ちが分かった気がするよ!
アゲアゲくん
よかった、よかった♪
アゲアゲくん
泣いてるんですか?
ミドリさん
うれしくて・・・。
アゲアゲくん
そうですか・・・。

 

~その日の夜~

ミドリさん
・・・コホン。
ミドリさん
ケーイチ!
ケイイチ
・・なに?
ミドリさん
S高、行っていいよ。
ケイイチ
え!?もういいよ!
ミドリさん
なんで?バスケやりたいんでしょ?
ケイイチ
補欠だし・・もう上手くなれないよ。
ミドリさん
このままで終わりたくないからもっと強い環境でやりたいんじゃないの?
ケイイチ
!!
ミドリさん
母さんさ、子どものころから諦めてばっかりだったんだ。
ミドリさん
だからあなたには諦めてほしくない。
ケイイチ
・・・。
ミドリさん
失敗したっていいんだよ?この世に失敗なんてないんだから。
ケイイチ
学費は?
ミドリさん
子どもはお金のことなんて考えなくていいの。
ケイイチ
父さんは?
ミドリさん
私が味方になってあげる。
ケイイチ
・・・。
ミドリさん
今度、ウチ帰ってきたら話そう?
ケイイチ
うん。
ミドリさん
先生には私から話しておくよ。
ケイイチ
いいよ。自分で言うよ。
ミドリさん
そう。
ミドリさん
とにかくそういうことだから。母さん寝るね。
ケイイチ
うん。分かった。
ミドリさん
おやすみ。
ケイイチ
おやすみ。
ケイイチ
・・・。お母さん。
・・・。ありがとう。グスッ
ミドリさん
ふぅ。うまく言えたかな・・。
ミドリさん
半分以上アゲアゲくんの受け売りだったな・・。
ミドリさん
そうだ。お礼しなくちゃ
ミドリさん
アゲアゲくん、言えたよー。
アゲアゲくん
ZZz・・
ミドリさん
・・寝てる。
アゲアゲくん
むにゃむにゃ。カラアゲうまうま・・・💤
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
よし!明日の晩御飯はカラアゲ決定!大盛りだ!

 

 

共感は自分から

「子どもの気持ちが分からない」

この悩みは、大人になってしまったからです。

 

子ども時代の自分に戻る感覚。

かつては自分も子どもだったという自覚。

 

ミドリさんには一つハンデがありました。

子ども時代に、強いしつけや教育を受けて「子ども心」を早くからなくしていました。

 

子どもの気持ちが分かる人は、幼い頃から子ども心をなくさないようにしていた人です。

思い出すきっかけは昔好きだったこと、やってみること。

 

ケーイチ君と同じ感性を持っている事に気づいたミドリさんはケーイチ君の気持ちを理解出来ました。

 

子どものやること、なすことに理解不可能で「なんだこの子は??」と思うことはあります。

そんなときは「かつては自分もそうだった」こう思うことで謎は解けていきます。

 

今回、長い話になってしまい恐縮ですが、この話、もう一度読み返してみてください。

フィクションではなく、みなさんにも当てはまる話です。