第42回 心の痛み

ミドリさん
わー!何この模試結果!
ミドリさん
英語30点?なんで?この前平均越えてたのに?
ミドリさん
高校受験控えているのにな・・。
ミドリさん
勉強出来てないんじゃないかな。
ミドリさん
今日、話すか。

夕方・居間にて

ミドリさん
この点数なに?
ケイイチ
・・・。
ミドリさん
今年受験だよね?分かってるよね?
ケイイチ
・・・。
ミドリさん
 そもそもなんで母さんに結果見せないの?
ケイイチ
・・・。
ミドリさん
こんなんで高校受からないよ?遊んでいる場合じゃないんだよ?
ケイイチ
・・うっせぇよ。
ミドリさん
・・!なに!?
ケイイチ
うっせっぇつってんだよ!!
ミドリさん
!!!

 

バタン(ケーイチ部屋に入る)

 

ミドリさん
ケーイチがキレた。初めてだ・・。
ミドリさん
ど、どーしよー!?
ミドリさん
はぁー。
アゲアゲくん
どうしました?
ミドリさん
あ、アゲアゲくん。
アゲアゲくん
元気ないですね?
ミドリさん
初めてケーイチにキレられた。
アゲアゲくん
ミドリさん
良い子に育てようと頑張ったのに・・・。
アゲアゲくん
原因はなんだったんでしょう?
ミドリさん
模試結果を隠してたんだよ。
アゲアゲくん
悪かったんですか。
ミドリさん
英語30点。
アゲアゲくん
なるほど。
ミドリさん
「なんで隠してたの?」「受験失敗するよ」って言ったら・・キレた。
アゲアゲくん
・・・。
ミドリさん
明日から、どんな顔で接したらいいか分かんないよ。
アゲアゲくん
・・。
アゲアゲくん
ミドリさんは、どんな母親でいたいですか?
ミドリさん
私?優しいお母さんでいたいよ。
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
世の中にはアゲ親とサゲ親がいます。
アゲアゲくん
アゲ親は怒ったことに後悔はないんです。
アゲアゲくん
サゲ親は怒ったことに違和感を覚えます。
ミドリさん
私はサゲ親なのか。
アゲアゲくん
「今は」ね。
ミドリさん
私の何がいけないのかな?
アゲアゲくん
「感度」だと思います。
ミドリさん
感度?
アゲアゲくん
はい。
アゲアゲくん
今日はちょっと言いすぎましたよね。
ミドリさん
うん。反省してます。
アゲアゲくん
怒りすぎ、やり過ぎを防ぐ方法を話しますね。
ミドリさん
なに?
アゲアゲくん
「心の痛み」です。
ミドリさん
アゲアゲくん
ストレートに言いますと。
アゲアゲくん
ミドリさんは痛みに鈍感になっているのだと思います。
ミドリさん
え!?
アゲアゲくん
人間がね、ヒドいことをするには一つしかないんです。
アゲアゲくん
相手の痛みを感じないことです。
ミドリさん
・・・。
アゲアゲくん
あぁ、ゴメンナサイ!
アゲアゲくん
ミドリさんは元々はそんな人じゃなかったんです。
ミドリさん
アゲアゲくん
これ、ホントです。子どもはみんな感度MAXで生まれてきます。
アゲアゲくん
大人になるとね。だんだん下がってくる。
アゲアゲくん
ミドリさん、子どものころ、我慢や抑圧が強かったはずです。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
そうだよ。
ミドリさん
小さい頃から我慢ばっかりしてきたんだ。
ミドリさん
「これは諦めよう」
ミドリさん
そう思ったこと沢山あるんだ。
ミドリさん
関係あるかな??
アゲアゲくん
・・。それが原因だと思いますよ。
ミドリさん
!!
ミドリさん
私はケーイチの心の痛みを感じてない!?
アゲアゲくん
・・ゆえに「ヒドいことができてしまう」状態では、と。
ミドリさん
そっか・・・。私はそんな人間だったのね・・・。
アゲアゲくん
いやいやいや。
ミドリさん
アゲアゲくん
話をちゃーんと整理してみてください。
アゲアゲくん
いいですか?イチから説明しますよ?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
ミドリさんはずっと我慢してきた。
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
ご両親は・・いわゆる毒親だったのでしょうか?
ミドリさん
そう・・だね。
アゲアゲくん
沢山のことを諦めてきたんですね。
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
「やってみたい」など、好奇心を抑えたはず。
ミドリさん
うん。覚えがあるよ。
アゲアゲくん
それが「感度を下げる」ということです。
ミドリさん
痛みを感じなくなっちゃったんだね・・・。
アゲアゲくん
だ・か・ら!
アゲアゲくん
下がったものは上げればいいんです。!
ミドリさん
上がるの?
アゲアゲくん
もちろん!
ミドリさん
どうすれば上がるの?
アゲアゲくん
「感度」というのはね、嬉しいで上がるのです。
ミドリさん
嬉しいを沢山やればいい?
アゲアゲくん
そうですね。
ミドリさん
それなら出来るかな。
アゲアゲくん
はい。出来ます。
アゲアゲくん
アゲ親になっていけば、何にでも「嬉しい」を見いだせます。
ミドリさん
・・すごいね
アゲアゲくん
嫌なことでも「嬉しさ」はどこかに隠れているものなんです。
ミドリさん
ポジティブシンキングのようなもの?
アゲアゲくん
はい。
アゲアゲくん
ただ今はそのときじゃないですからね!
ミドリさん
うん?ポジティブに考えなくてもいい?
アゲアゲくん
はい。今、かなり落ちこんでますよね。
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
落ち込みが強いときは、ポジティブに考えても効果薄いです。
ミドリさん
そうかも。
ミドリさん
じゃ、何をすればいいの?
アゲアゲくん
愚痴をいいましょう♪
ミドリさん
・・?
アゲアゲくん
感度を上げるには二つ。
アゲアゲくん
一つはそのまんまに「嬉しいことをする」です。
アゲアゲくん
もう一つは愚痴や文句を言うです。
ミドリさん
負の感情を出す、ということ?
アゲアゲくん
はい。
アゲアゲくん
数学でやったじゃないですか。
アゲアゲくん
「ー2✕ー2」はプラス4になるでしょ?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
マイナスなことも言った方がいいんです。
アゲアゲくん
マイナスを出すと、感度も上がるのです。
ミドリさん
そうなんだ。
ミドリさん
私に大事なのは愚痴や文句を言うこと??
アゲアゲくん
はい。それは悪いことじゃないんですよ。
ミドリさん
・・でもさ。私結構悪口言っちゃうんだけど。
アゲアゲくん
あはは。正直!
アゲアゲくん
もっとディープなのがいいですよ。
ミドリさん
ディープ?
アゲアゲくん
はい。なかなか言えない愚痴ってあるじゃないですか。
ミドリさん
うん。あるね。
アゲアゲくん
ディープな方が感度の上がりもいいものです。
ミドリさん
そうなのか。
アゲアゲくん
まずは、僕に愚痴ってみましょう!レッツトライ♪
ミドリさん
えぇ?!いいのかな?
アゲアゲくん
どんとこい!♪
ミドリさん
じゃぁ・・・
アゲアゲくん
おっとその前に!
ミドリさん
なに?
アゲアゲくん
言って悪い事なんてないですからね。
ミドリさん
・・・!
アゲアゲくん
「こんなこと言ってはいけない」
アゲアゲくん
「常に優しく正しくなければいけない」
アゲアゲくん
そんなのないです。
ミドリさん
何を言ってもいいの?
アゲアゲくん
はい!喜んで♪
アゲアゲくん
でも「アゲアゲくんのバーカ」とか言っちゃダメですよ。僕のいないとこで言ってね
ミドリさん
・・あはは。
アゲアゲくん
僕が知りたいのはミドリさんが思ったこと、感じてきたことです。
アゲアゲくん
教えてください。ありのままに。
ミドリさん
ありのままに・・・。

2時間後

ミドリさん
・・・ぐすん。
アゲアゲくん
泣くほどつらかったんですね。
ミドリさん
うん。
ミドリさん
ありがとう。すっとしたよ。
アゲアゲくん
・・いえいえ。
アゲアゲくん
お茶でも入れますよっ!
ミドリさん
・・あ、ありがとう。

アゲアゲくん
どうぞ。
ミドリさん
ありがとう。
アゲアゲくん
感情的に話せましたよね。
ミドリさん
うん。こんなの友達には話せないね。
アゲアゲくん
これが「ディープな話」です。
ミドリさん
あぁそっか。
アゲアゲくん
「感度」は上がっています。
アゲアゲくん
明日、ケーイチ君と会えばわかりますよ。

 

翌日・朝食

ケイイチ
・・・。
ミドリさん
・・・。気まずい
ケイイチ
・・・。

ギィ(ケーイチ椅子から立ち上がる)

ミドリさん
食べたらいっちゃった・・・。
ミドリさん
・・・。でも。
ミドリさん
アゲアゲくん。
アゲアゲくん
はい?
ミドリさん
何も話せなかったけど・・・。
ミドリさん
これで良かったのかな?
アゲアゲくん
何も言わないことが正解のこともあるでしょ?
ミドリさん
そっか。
アゲアゲくん
ケーイチ君になんて思ってたんですか?
ミドリさん
「きっと悲しかったよね」って思った。
アゲアゲくん
そう感じたんですね。
ミドリさん
うん。
ミドリさん
「ごめん」って思った。謝りたい。
アゲアゲくん
心が痛かったですか?
ミドリさん
あ!そう!痛かったよ。
ミドリさん
ズキッ!って感じがしたね。
アゲアゲくん
それが心の痛み。
ミドリさん
あ!よかった。
アゲアゲくん
今までは痺れてただけ!心はちゃんとありますから。大丈夫!
アゲアゲくん
何も言えなかったでしょ?
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
それがいいんです。想いは伝わってますよ。
ミドリさん
そうあってほしいな。
アゲアゲくん
感度が下がってたら。別のことを考えてたと思いますよ。
ミドリさん
さらにヒドいこと言ってたかもしれない?
アゲアゲくん
はい。
アゲアゲくん
心の痛みはストッパーなんです。
ミドリさん
ストッパー?
アゲアゲくん
「これ以上やってはいけない」と思えるストッパー。
ミドリさん
・・そっか。
アゲアゲくん
・・・。あれ?
ミドリさん
アゲアゲくん
なんか失敗したと思ってません?
ミドリさん
うん?
アゲアゲくん
今日、成功ですよ。
アゲアゲくん
「感度」「ストッパー」
アゲアゲくん
二つも気づけたじゃないですか。
ミドリさん
あ、そっか。
アゲアゲくん
昨日はヒドいことを言いました。
アゲアゲくん
でも今日は言わなかったんです。
アゲアゲくん
 これって成功じゃないですか?
ミドリさん
・・・。ありがとう。気持ちが軽くなったよ。
アゲアゲくん
アゲアゲになりましょうね!

 

関係は変えられる

自分は毒親かもしれない。毒親になりそうで怖い。

感度を上げると、心に痛みが戻ってきます。

 

なくなったわけではなく、痺れていただけ。

 

足の痺れは伸ばすと直ります。

心の痺れは「嬉しい」と「話す」で直ります。

 

一旦壊れた関係であっても。

戻していくこと、改善は出来ますから。

 

「話せる相手がいない」という方は、アゲアゲくんに相談を申し込んでみてください。

感度が上がりますよ。